2型糖尿病患者の摂取カロリーのうち50-60%を炭水化物にしよう、という指導が2021年の診察室にありました。
この話を聞いて、貴方はどう思いますか?
その話を聞いたとき、マダオは一体何の冗談だ?と聞き流してしまったのですが、根拠は日本糖尿病学会が定める糖尿病診療ガイドライン2019だったようです。
実際、2016年版までは糖質50-60%をルールとしていたようですが、2019年改定時に目安に格下げしています。
2019年版の該当部分を引用します。
〇糖尿病の予防・管理のための望ましいエネルギー産生栄養素比率について、これを設定する明確なエビデンスはない。
〇患者の身体活動量、併発症の状態、年齢、嗜好性などに応じて、適宜、柔軟に対応する。
エビデンス(根拠)がないため、患者に応じて適宜柔軟に対応する、と素直に読めます。
このように明記してあるにも関わらず続く解説として書かれている内容が混乱を招きます。
栄養素のバランスの目安は、健常人の平均摂取量に基づいて勘案してよい。日本人の食事摂取基準 2020 年版では、成人の基準として炭水化物 50~60%エネルギー、タンパク質 13~20%エネルギー、脂質 20~30%エネルギー(飽和脂肪酸 7%以下)としている。
明確なエビデンスはないのに、健常人に基づいて糖尿病患者の栄養素のバランスを勘案する?!
頭の中に刃○コピペがフラッシュバックします。
オイオイオイ
死ぬわ、あいつ
ほう、濃口醤油ですか
・・・死ぬわ、あいつ
なんでもいいけどよォ
相手はあの末○先生だぜ
それに特大タッパのしょうゆとしょうゆ
これも即効性の塩分量です
しかも梅干しも添えて塩分バランスもいい
それにしても検査直前だというのにあれだけ補給できるのは超人的なアホというほかはない
皆さん御存知の通り、2型糖尿病はインスリンの作用不足により血糖が過剰になる病気ですね。
過剰になった血糖は、体中を破壊します。主な合併症だけでも、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、足壊疽、脳梗塞、心筋梗塞。
そして膵臓のβ細胞も血糖値を下げようと頑張るあまり過労状態に陥り最悪お亡くなりに・・・。
このように過剰な糖質を摂ることは糖尿病患者にとって緩やかな自殺に近い行為です。
では、糖尿病患者は何を基準に糖質を摂るべきか・・・。
結論
すくなくともマダオは自身の摂取する糖質量についてこう考えます。
持続的に計測した自身の血糖値に基づいて糖質量を決めて、不足したカロリーを他の栄養素で補うのが筋ではないか、と。
おそらく人によって炭水化物の摂取割合は総摂取カロリーの10%が最適なこともありえるし、40%や70%だってありえるのではないでしょうか。
そういうわけで糖質に対する耐性は糖尿病の重症度や体質によって当然変わってくるはずなので、一律に50-60%などという目安を設けるのは、あまりに乱暴な話じゃないかとそう思うのです。
余談、もしくは柔軟性の話
さて随分長くお話しましたが、なんでこんな話をしていたかというとドン。
以前、マダオの食事データを54日分集計したのですが、総カロリーに占める糖質の割合をご覧ください。
去年、合併症の検査をしにいった先の先生に糖質は25%くらいに抑えてますって言ったら、ガチ目に怒られまして。
いくらくらいがいいのか聞いたら50-60%と仰る。
糖質24.3%に抑えていても、血糖値スパイクで200超えた日もあるんですよ?
糖質を倍以上にしたうえ、帳尻合わせでタンパク質、脂質を減らせば、スパイクの高さが倍になっても不思議ではありません。
というか、そもそもの発端が随時血糖値440ですし。
そういう諸々を無視して、初診で検査結果すら出てないうちから、一律の基準で糖質を増やせとかいう話が飛び出す診察室。
適宜、柔軟に対応する、とは一体・・・。うごごご。
CGM(フリースタイルリブレ)のススメについて書いた記事はこちら。
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
当ブログの代表的な記事はこちら。
HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
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なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。
個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事等については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。
参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。