可能性のない獣

半寝たきりの2型糖尿病患者が書くあれこれ

こんな先生は嫌だ

はい。こんにちは。

マダオです。

 

いち患者として、嫌だなぁと思う記事を見つけたのでご紹介です。

 

【糖尿病】むしろ血糖値が上がることも…!? 「糖質制限」のワナ(総合内科専門医が解説) | 幻冬舎ゴールドオンライン

 

宇都宮で開業されている総合内科専門医の先生が書いた記事です。

糖尿病を独自の手法で分類したい、等の素人には何の意味があるか分からない主張に混じって患者の失敗をあげつらうような内容を書かれています。

 

これは私の糖尿病患者さんで経験した例です。彼は常日頃から極端な糖質制限を課しており、週に一度だけスポーツクラブで厳しい筋肉トレーニングもしていたようです。その患者さんが随分久しぶりに当院を受診したとき、彼は早朝に豆乳だけ飲んで、スポーツクラブでトレーニングをした後でした。もちろん、トレーニング後は何も食べていなかったようです。

 

さっそく当院で血糖検査をしたところ、血糖は急上昇して300mg/dl近くになっていました。当然、彼は不思議に思いました。ほぼ何も摂っていないにも拘わらず、なぜ血糖値はそんなに上がってしまったのでしょう?

 

【糖尿病】むしろ血糖値が上がることも…!? 「糖質制限」のワナ(総合内科専門医が解説) | 幻冬舎ゴールドオンライン

 

事が起こったあとに、それっぽい理屈をつけて解説するだけなら、マダオでもできます。

それを患者の選んだ糖質制限のせい、運動のせい、無知のせいと他人事で片付けて自分の正当性を主張するのは主治医として如何なものでしょうか。

そういう悲しい事故を起こさせないための専門家だとおもっているのですが・・・。

 

これはマダオがしばしば診察室で感じることでもあるのですが、先生方からすると糖尿病の診察は日常風景であり、「ありふれてて退屈」であるようです。

しかし、患者からすれば人生の一大事であり、「どうにかして良くしたい」と過剰な対策に走ってしまうのです。

 

そういった事情を踏まえたうえで、この先生が当該患者に対してどういう運動療法・食事療法の指導をされていたのか、非常に気になります。

何にせよ理屈が分かっているのに事故を防げないのでは、何もわかってないのと同じではないでしょうか。

 

糖尿病のような完治しない病気は、医者と患者が二人三脚で対応する必要があるはずですが、何とか病気を良くしようともがく患者の努力を切り捨てるこの先生の文章からは体温を感じることができません。

 

そして冷血ベースで本件の解決策を考えるなら、血糖値を日常的に測定していくこと以外にありえません。

『極端な』糖質制限や『強度の高い』運動というふんわりとした表現で患者を問題視している場合ではないのです。

患者は生きた人間である以上、摂取する糖質が少ない人もいれば、仕事等で強度の高い運動をする人もいます。

また、当然ですが人により体質や糖尿病の重症度が違います。

つまり、CGM(持続血糖モニター)を使うなりして、当該患者の血糖の変動を把握していなければ、第2、第3の事故を起こす可能性は否定できないのです。

 

この先生は患者の失敗として語っていますが、本当に患者だけの問題でしょうか。

自著で新しい糖尿病の分類を主張される前に、目の前の患者にもう少し目を向けていただきたいものです。

 

ええー。全部オレのせいっすかあ?

 

当ブログの代表的な記事はこちら

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

なお、本記事はマダオ個人の経験に基づく感想です。

個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。

 

参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。