可能性のない獣

半寝たきりの2型糖尿病患者が書くあれこれ

気になる先生を追え!(Dr.ゆきなり先生⑦カロリー制限はするな)

はい。こんにちは。

マダオです。

 

Youtubeにて糖尿病を解説されている現役医師の動画を紹介するシリーズ、『気になる先生を追え』の時間がやってきました。

 

前回に引き続き、ご紹介するのは、Dr.ゆきなり【~糖尿病克服への道~】先生です。

(以下、本ブログではゆきなり先生とお呼びします)

糖尿病の研究者をされていた、ということで、非常に貴重な知見をお持ちなのですが、専門家のお話というのは素人には難しく、内容の素晴らしさの割に再生数が少ないのです。


というわけで、自分の勉強とゆきなり先生の応援をかねて、簡易レジュメとともにご紹介です。

 

www.youtube.com

 

簡易レジュメ

前置き

糖尿病患者がよく言われる「ダイエットしましょう」「食事(カロリー)制限しましょう」という言葉の背景にある全く根拠のない事実についてお話していきたいと思います

食事の食べ過ぎ、運動不足によって糖尿病を発症する、という理屈はある程度正しいのは事実です。だから上記の言葉を言われることは多いでしょう。

自己流で取り組んだ方、栄養士の指導を受けて取り組んだ方、色々いらっしゃると思いますが、その結果はどうでしたか?思ったとおりやせましたか?

指導されたとおりに摂取カロリーを守り、規則正しく3食に分けて食べた結果、血糖値は思ったように下がり念願の薬のいらない生活が手に入ったでしょうか?

恐らく答えはNOだと思います。

でもこれって不思議ではないでしょうか。糖尿病の原因は食べ過ぎ、運動不足だと言われているのに生活習慣を変えても一向に糖尿病が良くならない。体重も減らない。そんな状態で病院に行くと毎回のように食事(カロリー)制限が足りないとか、もっと運動が必要とか言われる。そしていつの間にか多くの方が病院に行きづらくなって通院治療を止めてしまう。こんな経験をされた方も少なくないと思います。

ボクも毎年3,000人以上の糖尿病患者さんを診察しますが、食事制限・カロリー制限で糖尿病が良くなったという人にほとんど出会いません

もしも貴方が上に挙げたような悩みを抱えているなら、今回のお話を必ず理解するようにして下さい。

食事制限・カロリー制限をしても糖尿病がよくならない、ダイエットできないという理由は明確に次の2つの誤解があるからなのです。

 

ダイエットの誤解はこの2つ

ダイエットの誤解その1

摂取カロリー<消費カロリーでダイエットできる。

 

ダイエットの誤解その2

高カロリーの食事が太る原因である。

 

この2つの誤解・思い込みが糖尿病がよくならない原因です。

個別に見ていきましょう。

 

1つ目。摂取カロリー<消費カロリーでダイエットできる、にまつわる誤解

⇨結論『カロリー計算はやめよう』

ジムのトレーナーさんや栄養士さんにも多いですが、摂取カロリー引く消費カロリーがプラスであれば太る、マイナスであればやせる、こういった単純な理屈を押し付けてくる人がいます。

できるだけこのマイナスを大きくしましょう、と言われますが、ある決定的な事実が見逃されているんです。

それは基礎代謝です。基礎代謝への理解が圧倒的に欠如している人が多いのです。

年齢や性別から基礎代謝を計算したグラフなどを見ると、自分の基礎代謝量はこれくらいで運動すると更にカロリーをこれくらい消費できるから食事のカロリーはこれくらいにしておこう、なんて計算ができてしまいます。

しかし、カロリー制限という方法でダイエットしている人が全然ダイエットできないのはなぜかというと、基礎代謝が常に一定だと思いこんでいるからです。

基礎代謝量は食べる量、つまり食事から得られるカロリーによって、大きく変化します。食べる量を減らせば基礎代謝も減ってしまうんです

世の中にいる自称ダイエットのプロが結果を出すことができないのは、この事実を知らないことが原因です。

結論として、糖尿病があるからダイエットしたいと考えるのであれば、まずカロリー計算を止めましょう

そして、次にお話するダイエットの誤解その2、太る原因はカロリーとは関係ない、という事実を知っておいて下さい。

 

2つ目。太る原因は高カロリーではなくホルモン(インスリン

⇨結論『インスリンのトリガーである炭水化物は控えよう』

血糖値を下げるために分泌されるホルモン、皆さんもご存知のインスリンですが、脂肪を蓄える作用があります

狩猟時代、次の食事がいつになるか分からないという時代を長く過ごした人類は、インスリンにより脂肪を蓄え、次の食事までの長い時間を耐えたのです。

でも今は事情が違います。1日3回食事をして、その度に必要のないエネルギーを体が脂肪として蓄えているんです。

これこそが太る原因、なかなかやせない原因なのです。

インスリンは血糖値を下げるホルモンとして認識されていますが、実は体に脂肪を蓄えて人間が数日間食事をしなくていいように調節してくれているんです。

つまり、インスリンは太るホルモンといえます

ボクたち医師も糖尿病の治療をする際にインスリンの注射をしたりします。でもこういった治療を受けると患者さんは必ず太ります

糖尿病の治療で体重コントロールは大切だというのに、治療により体重が増えてしまう。こんなジレンマを抱えることがあります。

だから最近では敢えて、インスリンを増やす治療を避ける専門医の先生もいるほどです。

そして、インスリンが増えてしまう原因は食事のカロリーではなく、食事に含まれる糖質量にほぼ依存します。

白いご飯とか麺類が大好き、朝はコンビニの菓子パンで済ませる、こういった生活が中心であれば、糖質の摂りすぎである可能性があります。

食事の内容をちょっと見直すだけで、カロリー制限なんて必要なく、ダイエットすることができるのです。

 

糖尿病をよくするために絶対必要な食事の知識をお届けします! Dr.ゆきなり【〜糖尿病克服への道〜】 レジュメ化作業マダオ

 

さて、相変わらずレベルの高いお話ですね。

前提となる知識量が違いすぎて、色々調べてやっと理解することができました。

 

まず、現在、糖尿病の食事療法(指導)は『カロリー制限』を標準としている、という事実があります。

つまり、糖尿病患者にはカロリーを控えさせろ、という医師の常識がある中、ゆきなり先生は『単純に摂取カロリー(食事量)を控えるだけでは意味がない』とおっしゃっています

 

素直に考えれば、摂取カロリー<消費カロリーであればやせます

しかし、人間の消費カロリーの大半を占める基礎代謝が可変である、という知られざる問題がここに存在します。

 

ゆきなり先生のお話を単純化すると、摂取カロリー(食事量)を半分にすると消費カロリーも応じるようにほぼ半分になってしまい、永遠にやせることができない』ということになります。

食事量を控えて、酷い空腹に耐えてもほとんど痩せないってことですね。

うーん・・・、超心当たりある・・・。

 

そして『糖尿病を良くしたいなら、太るホルモンであるインスリンを出させないことが重要である』とおっしゃっています。では、どうすればインスリンを出させずに済むか、というと『トリガーである炭水化物を摂りすぎないこと』という結論に至ります。

 

まとめると『糖尿病を良くしたいなら、カロリーを制限するのではなく、炭水化物を制限しろ』というお話ということですね。こうして振り返ってみると鮮やかな論理展開で、美しくすらあります。

しかし、動画の内容だけで、ここまで理解するのは、なかなか厳しいですよ、先生~。半泣きで色々調べることになりました~。

 

ゆきなり先生ありがとうございました。大変勉強になりました!

 

前編はこちら。

気になる先生を追え!(Dr.ゆきなり先生①最適な運動療法)

気になる先生を追え!(Dr.ゆきなり先生②CGMの効果)

気になる先生を追え!(Dr.ゆきなり先生③インスリン抵抗性の真因)

気になる先生を追え!(Dr.ゆきなり先生④糖尿病が良くなる人だけやっている3つの習慣)

気になる先生を追え!(Dr.ゆきなり先生⑤猛烈に血糖値を上げる4つの悪習慣)

気になる先生を追え!(Dr.ゆきなり先生⑥この臓器のダメージが人を糖尿病にする)

 

当ブログの代表的な記事はこちら。

HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

CGMマダオがイチオシする商品の一覧はこちら。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。

個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事等については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。

 

参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。