可能性のない獣

半寝たきりの2型糖尿病患者が書くあれこれ

【マダオが気になる糖のニュース】「糖尿病」の名称変更へ ~患者の9割が不快感【特別編】

はい。こんにちは。

マダオです。

 

突然ですが、マダオが気になる糖のニュースの時間がやってきました。

なにやら糖尿病じゃない人が盛り上がっている気配がするので、ガチの2型糖尿病患者目線で以下のニュースに私見を述べたいと思います。

 

「糖尿病」の名称変更へ~患者の9割が不快感—糖尿病協会~|医療ニュース トピックス|時事メディカル|時事通信の医療ニュースサイト

時事通信 様

 

都内で同日開いたセミナーで説明した。患者を対象としたインターネットによるアンケート調査(2021年11月8日~22年9月30日実施)によると、回答者1087人の9割が病名に何らかの抵抗感・不快感を持ち、変更を希望する人が8割に上った。「尿」という言葉が持つ負のイメージへの懸念が多かったという。

 同協会の清野裕理事長はセミナーの冒頭、「糖尿病に対する誤った認識が偏見を助長し、差別を生んでいる」と指摘。具体例として「生命保険や住宅ローンに加入できない」「就職が不利になった」「怠け者のような目で見られる」などを挙げた上で、医療従事者やメディアが事態改善に力を注ぐ必要性を強調した。

「糖尿病」の名称変更へ~患者の9割が不快感—糖尿病協会~|医療ニュース トピックス|時事メディカル|時事通信

 

当該セミナーにて具体的にどう話したのか不明なので、記事の字面だけで判断させてもらいます、と前置き。

その上で申し上げると、薄い、というか浅い・・・。

 

まぁ、他人に「糖尿病」と伝えなきゃいけない時って食事に関する場が多いですから、「尿」だの「便」だのという排泄物を表す単語を使いづらい、という面は確かにあります

なにせ100年以上前の明治時代初期に統一された名称なので、令和の現在と感覚が違う、というのは確かなことでしょう。

 

しかし、差別の具体例が共感しづらい内容多いんですよ。

これって病名変更したからどうにかなる問題でしょうか??

 

「生命保険や住宅ローンに加入できない」

実際は「できない」ではなく、「しにくい」のようです。

しかし、これは当然といえば当然です。

保険会社は慈善事業ではありません

健常者の10倍の保険料を支払ってでも保険に入りたいという糖尿病患者がいっぱいいれば、専用商品が設計されるかもしれませんが、糖尿病の重症度を表す指標が医療現場にすら存在しない以上、保険屋に正しいリスク評価をしろと言っても無理無茶無謀というものです

ただ、投資をかじっていた立場から言わせてもらうと、あらゆる保険は基本的にペイしない設計になっています。胴元である保険会社が負けるようなオッズ設定なら、この世に保険会社は一社も残っていませんし、高給取りの社員も存在しません。

だから加入できなくても特に問題はないと極論することも一応可能・・・。

 

「就職が不利になった」

これも雇用者側の立場で考えれば当然でしょう。

自分が社長だとして同じ給料を払うなら、健康で長く働ける可能性がある人の方を選ぶでしょう。障害者採用枠にでもなるならともかく、気を使わなきゃいけない要素がある人材を心から欲しがる社長なんていますかね??

糖尿病の重症度を表す指標がない以上、雇用側に正しいリスク評価を求めるのは(以下略

一応補足ですが、就職において病気の告知義務はありません。ただ、大体の糖尿病患者は入社時の健康診断でバレるでしょうから、隠し通すのは現実的じゃないでしょう。

 

「怠け者のような目で見られる」

これは世間一般の見る目が冷たい、という内容だと思います。

しかし、世間一般だけじゃなく医療従事者も似たような感覚の人多いんだよなぁ。

なんなら、同じような症状で苦しんでいるはずの1型糖尿病の人ですら、2型なんぞと一緒にするな、と主張する人いますし。

これは正直言うと「生活習慣病」という括りを使用したことの弊害だと思っています。

そもそも生活習慣病」というのは、昭和30年代に行政界隈で提唱した「成人病」を言い換えた言葉で医学用語ではなく明確な定義はありません

 

生活習慣病とは? | e-ヘルスネット(厚生労働省)

 

生活習慣を改善することで病気の予防ができるのではないか、という理由で、平成初期に言い換えを行ったようなのですが、実際に癌や糖尿病の患者が減ったかというとご存知のとおり。遺伝的な要素が強い病気だという認識が一部の医療従事者に広がったのが不幸中の幸いと言えます。

生活習慣病と言い換えた結果、残ったのはだらしない生活習慣をすることにより病気になったアホ、という世間の評価がほとんどでした

 

まとめ

すでに発症済みの2型糖尿病患者からすると、今更病名を言い換えたところで、ほとんど意味はないと感じます。

糖尿病という言葉を何の疑問もなく使う古い世代のコミュニティに所属していますし、その手の言葉狩りみたいな話に少しウンザリしている部分があります

なんでも○○ハラスメントと言われるこのご時世に物申したい部分もあります。

 

しかしながら、後の世代の糖尿病患者に自分たちと同じ思いをして欲しいかというと否、断じて否なのであります

100年後の糖尿病患者が病気の実態に即した取り扱いを受けられるような名称変更であれば大賛成です。

ただし、30年前、成人病を生活習慣病と言い換えた後に偏見以上の何が残ったのか。

それを思えば、本件に関して拙速な変更が必要な場面とは到底思えません

 

どうしても、糖尿病を取り巻く偏見を取り除きたいなら、生活習慣病という言葉を放送禁止用語にする運動から始めてはいかがなものかと思います。

素人考えですが、糖尿病という単語の言い換えが今すぐ必要ならば

遺伝的要素がほぼない1型糖尿病は突発型高血糖症。

遺伝的要素が強い2型糖尿病は遺伝型高血糖

としておけばいいのではないでしょうか。

 

 

マダオが気になる糖のニュース NO.EX02

 

 

当ブログの代表的な記事はこちら

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

なお、本記事はマダオ個人の経験に基づく感想です。

個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。

 

参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。