可能性のない獣

半寝たきりの2型糖尿病患者が書くあれこれ

2型糖尿病はだらしない、というレッテルをぶち壊す

はい。こんにちは。

マダオです。

 

本日は、2型糖尿病に関する悪評は誰が作り出し広めたのかについて。そして、それは本当に正しいのかお話します。

 

2型糖尿病は『生活習慣病』で、患者は『食べ物にだらしない』『デブ』。

こんな話を聞いた事がないでしょうか?

もしくは糖尿病になってしまった自分自身をそのように卑下していないでしょうか?

最初にハッキリ言いましょう。

このような話は事実に基づかない偏見で非科学的な思考の産物です。

そんな思考をしている人間は、糖尿病を良くすることなど絶対に出来ません。

糖尿病は、遺伝と加齢により発症する病気です。

生まれつきの体質により飢餓感が強いのが糖尿病患者なのです。

 

糖尿病の遺伝子を持っている人のHbA1cは生まれつき異常が出やすく、年を取ると高確率で糖尿病と診断されます。

まずは、以下の記事をご覧下さい。

 

| 私の糖尿病50年-糖尿病医療の歩み | 糖尿病ネットワーク 様


東北大学名誉教授を務められた後藤 由夫先生の研究です。

70年程前のものなので、糖尿病の基準とかは現代と違いますが、糖尿病家系の人の血糖値が年代別に悪化している様子が見て取れます

 

引用:私の糖尿病50年 糖尿病ネットワーク様

 

この図から読み取れるのは、糖尿病の遺伝子を持っている人は、成人前から境界型糖尿病になる人が多く、加齢するにつれ高確率で確定診断を受ける、ということです。

また加齢により年々血糖値は高くなるのが普通である(糖尿病は進行性の病気である)と言い換えることもできますね。

 

さて、では糖尿病になるとはどういうことでしょうか?

それは即ち糖代謝に何らかの異常が出やすいということに他なりません。

実は後藤先生は糖尿病に前兆はないのか、という研究もされています。以下の記事にその結果があります。

 

| 私の糖尿病50年-糖尿病医療の歩み | 糖尿病ネットワーク 様

 

糖尿病家系の人を健常者、前糖尿病、糖尿病に分けてOGTTを行い、インスリンの出方を調べたものですが、完全な健常者とは明らかにインスリン分泌能力に差があります

 

引用:私の糖尿病50年 糖尿病ネットワーク様
左より完全な健常者、糖尿病家系の健常者、同前糖尿病、同糖尿病のインスリン分泌量

 

糖尿病家系の人は、前糖尿病になる前から既にインスリンの出方が遅いし量が少ない、という特徴が見て取れます。

インスリンの出方が遅い、ということは取りも直さず細胞への栄養補給が遅くなることを示唆します。(空腹が満たされにくい

そして、インスリン分泌が遅ければ、その間、血糖値は制限なく上がり、その後急激に下がります。血糖値の急低下もまた空腹に繋がります。

糖尿病の遺伝子を持つ人は、生まれながらに飢餓感が強く太りやすい可能性があるということです。

 

ここでマダオが強調したいのは、『糖尿病は生活習慣病』で『だらしない』『デブ』がなるものだ、という話は、近年の厚労省や医師が作り出したレッテルだということです。

 

以前の記事でも書きましたが、生活習慣病とは医学用語ではありません『生活習慣の改善で治るといいな』という意味で厚労省が作り出した造語です。それ以前は成人病と呼ばれていましたし、実態として加齢により発症・進行するのだから、成人病の方が正しく病態を伝えていた、と言えるでしょう。

 

事実、生活習慣病というレッテルを貼り、日本中の医師が患者に生活習慣の改善を指導した結果はどうだったでしょうか?

2024年現在において、世界中の医師はこう言います。

『糖尿病患者の増加はとどまる気配がない』と。

そして、薬なしでHbA1c6.5%未満にできる患者数は1%に過ぎません。(しかもその1%すら3分の2が1年後に悪化する)

また投薬をしたところで糖尿病患者の寿命は、健常者より10年短いという事実も忘れてはいけません。

 

寿命を10年縮め、患者の99.7%に有意な回復をもたらせない治療や分類に何の意味があるのでしょうか?

明らかにアプローチが間違っています。

 

卑近な例で恐縮ですが、医師のいいつけをキチンと守ったマダオの2人の祖父は高血糖が改善することなく糖尿病で亡くなりました。

バランスの良い食事、1日1万歩、数々の糖尿病薬…。

クソの役にも立ちませんでした。

『痩せれば良くなる』なんて気休め以外の何者でもありません。

 

糖尿病は遺伝と加齢による進行性の病気です。

必要なのは、生まれ持った弱い体質を労ること、加齢による衰えを知ることです。

それは、生まれ持った弱さや老化と向き合う作業なので決して楽しい話ではありません。

しかし、付き合い方を覚えれば、自分なりにHbA1cを下げることはできるのです。

 

2型糖尿病は単なる病気であり、病気に善悪などありません

当然、遺伝や加齢も、自分で選べるものではありません。

視力が下がったら自分に合ったメガネを使うように、耳が悪くなったら補聴器を付けるように、淡々と付き合えば良いのです。

2型糖尿病になったことを恥じる必要などどこにもありません。

自分を生み育ててくれた家族から受け継いだ体質をバカにされる謂れはどこにもありません。

 

卑屈になるな!

前を向け!

他の誰が知らなくとも、ここに貴方の苦悩を知るものがいる!

ボクらはボクらの人生に必死に向き合っているのだ!

くだらないレッテルなんかぶち壊せ!

 

好んで病気になる人間などいない!

 

ちなみに糖尿病を治療するな、と言っているわけではありません。

自分の体質や老化を知り、それに合わせた生活をすれば良い、と言っているのです。

メガネを作る前に視力を測りますよね?

度が進んだ時や老眼が出た時にメガネを作り直したりしますよね?

それと同じように、現在の血糖値に合わせた対策を取ればいいだけです。

若い時の自分のメガネや、他人のメガネではよく見えない、ただそれだけのことなのです。

 

 

当ブログの代表的な記事はこちら。

HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

CGMマダオがイチオシする商品の一覧はこちら。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。

個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事等については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。

 

参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。