可能性のない獣

半寝たきりの2型糖尿病患者が書くあれこれ

糖尿病を語る人の分類から糖尿病の未来について考える

はい。こんにちは。

マダオです。

 

本日は糖尿病を語る人の分類から糖尿病の未来についてお話したいと思います。

多分に独断と偏見に塗れたお話なので、与太話が好きな人向けです。

 

では参ります。

 

分類①HbA1cで無理やり何とかしようとする医学の教科書タイプ

医師を始めとする医療従事者に1番多い分類

糖尿病の教科書を丸ごと信じて、一律の基準を患者に押し付けることが多い。

糖尿病は進行性であり不治の病だと言いながら、HbA1cが悪くなると患者の努力不足だと詰る人も少なくない。

色々な指導をするが、自分の指導が目の前にいる患者の血糖値を本当に下げるのかについては興味がなく、教科書通りの治療を行うことを最良とする

また年単位で知識を更新していない不勉強な人が多いのも特徴。

 

大半の患者は、HbA1cのみを頼りに教科書ベースの治療を行うことになるが、寛解に至り1年維持出来る確率は0.3%に過ぎない。

 

寛解とは:症状がおさまって穏やかな状態。米国糖尿病学会の基準によると投薬なしの状態でHbA1c6.5%未満を3か月維持している状態を指す

 

分類②ルール無用の民間療法タイプ

○○をするだけで糖尿病が治る!とか

この食材の食べ合わせで血糖値が下がる!などと謳う詐欺師に多い分類

意外だが、医師が売名や案件で行っていることもある

医学的な裏付けが一切ない、もしくは無名の医学誌に載った論文程度しか拠り所がないのが特徴。

効果がないのがバレないよう、血糖値測定を勧めないのが基本スタンス。というか、このタイプの人間は自分の血糖値を計った経験すら乏しいので支離滅裂な主張をする。

しかし、血糖値測定を不要とする手軽さ、主張の単純さが逆に多くの患者を魅了するらしく根強い人気を誇る。

基本的な医学知識を持たない栄養士、整体師やスポーツトレーナー、健康情報ライターなどは、多くがコレに当てはまる。

 

民間療法に頼った患者の統計データは存在しないが、悪化することはあれど改善する可能性はほぼゼロと言ってよい。

 

分類③糖尿病初期段階から血糖値をしっかり計る実践タイプ

若く有能な医療従事者に多いタイプ。

CGMなどを活用し、何が高血糖の原因になっているのか、どんな療法が本当に血糖値を下げるのか個別に判断することができる

血糖値の上がり方には個別性が高く、目の前の患者一人一人の体質が違うことをキチンと理解している

また最新の論文にも目を通すため、知識が豊富。

糖質をひかえるように勧める医師は、こちらのタイプに近い人が多い。

逆に糖尿病患者でも白米や玄米を毎食しっかり食べろ、という人は教科書タイプが多い。

 

このタイプの患者の統計データは希少であるが、基礎インスリン治療をしている比較的程度の重い2型糖尿病患者を対象にした試験で、CGMの使用により被験者のHbA1cを8ヶ月で1.1%改善したミシガン大学医学部の研究がある。インスリン分泌が枯渇に近い状態の患者がCGMを使用するだけで、これだけの効果が得られるとするなら、罹患初期段階でCGMを使用した場合、より大きな効果が得られる可能性は高い。マダオの個人的な例だと、糖尿病罹患後すぐにCGMを使用し、7ヶ月でHbA1c9.7→5.0になった)

 

おススメのタイプは③。その合理的な理由

さて、大まかな分類をさせてもらいましたが、マダオがオススメするスタイルは最後の③タイプです。

医療従事者にも患者にもごく少数しかいない希少種です。

なぜ保険適用もされない糖尿病の初期段階で、積極的に血糖値測定を行う必要があるか不思議でしょうか?

無駄遣いや、金持ちの道楽にみえるでしょうか?

 

しかし、考えてみて下さい。

血糖値測定に保険適用される段階は、もうかなりの重症です。そこに至るまでの期間は個人差があるでしょうが、血糖値測定を通じて根本原因にアプローチしない限り糖尿病は急速に悪化し続けます

悪化してから血糖値測定を頑張ったところで、寛解の確率は0.3%どころかもう1桁くらい下になります。少しでもインスリン分泌が残っている段階で介入しないとコントロールの難度は上がるばかり。確率的には東大理IIIに入るくらいの低確率になってしまいます。

糖尿病罹患後6年内の患者に集中的な介入を行い46%を寛解させたというDiRECT試験の結果からも、早期の積極的対応がいかに重要か分かるでしょう

 

また糖尿病が進行すると合併症や併発症も幾つか抱えた状態になっている可能性があります。失明・透析・足切断・アルツハイマー病・末期ガンになってから頑張ったって遅すぎるのです。

軌道修正は早ければ早いほど良く、予後も大分違ったものになるでしょう。

 

そして血糖値測定に保険適用されるほど重症化してしまえば、月額の治療費だって結局は高くなります

決定的に体が壊れる前に、早急に手を打つのは、体にかかる負荷はもちろん経済面でも合理的なのです。

 

糖尿病改善を巡る現在の惨状。その歴史的な経緯と未来

しかし、なぜこんな惨状になっているのでしょうか?

標準治療に99.7%効果がなく、医療従事者の多くが当てにならず、詐欺まがいの情報が大手サイトに堂々と掲載され、CGMがほとんどの患者に保険適用外であることには、理由があるのです。

 

これは進歩の激しい分野の過渡期であるからだ、とマダオは考えています。

40年ほど前にHbA1cなどという指標が使われ始めたのは、血糖値をリアルタイム測定する手段がない故の苦肉の策でした。

20年ほど前までは、自分で血糖値を知るには指先穿刺しか方法がなく、血糖値が分からない状態で、治療法を模索する必要がありました

だから、なんの意味もない、むしろ高血糖を誘発するような民間療法が山ほど出現しましたし、標準治療として採用された療法も効果がほとんど見込めないものでした。

血糖測定での細かい検証ができない以上、治療法が洗練されないのは仕方がない部分はあったと思います。

 

そして約20年前

やっとCGMが開発され、24時間リアルタイムに血糖値の計測・記録が可能になっても、長らく研究用の特殊機材扱いで患者が容易に手にできるものではありませんでした。

マダオが使用しているCGM、フリースタイルリブレが日本での販売を開始したのは2017年になってからのことです。

それは既に6年も前のことですが、2週間使い捨てのリブレセンサーは、いまだに1個7,000円近い値段がします。

CGMは、日本の糖尿病患者の殆どに保険適用外の機材であるため、医師も自由診療10割負担を前提としない限り、リブレを触る機会は限られています

 

7,000円の価値をどう見るかについては、議論の余地があるところでしょうが、リブレの常時使用を前提とするなら、年間17万円という馬鹿にならない費用が発生するのは事実です。

現在の価格では、CGMの全面的な保険適用はおろか大規模研究すら難しいでしょう。

せめて年間5万円(センサー1個2,000円)くらいになれば、糖尿病治療にリアルタイム血糖値測定による検証が当然という流れができて、無意味な療法・情報が氾濫するのを防げるようになるでしょう。でも、普及は恐らく10年以上は先の話になると思います。

 

とは言え、CGMが普及し莫大な血糖値データが集まれば、糖尿病に対するもっと有効なアプローチが見つかる可能性は高いです。

患者の血糖変動データは、糖尿病研究を押し上げる土台となってくれるでしょう。

また、SGLT2阻害薬、GLP1受容体作動薬に続く画期的な新薬ができて、薬さえ飲み忘れなければ、健常者と変わらない健康寿命と食生活を送れるようになる日も来るかもしれません

半世紀後には糖尿病を撲滅している可能性すらあると思います。

 

最後に

糖尿病治療の技術は、確実に、そしてかなりの速度で進歩してきています。

この流れで今、我々患者に何ができるのか考えると、一つだけしかありません。

できるだけ真摯に自身の血糖値に向き合うことです。

着目すべきは、HbA1cでも、体重でも、カロリーでもありません。それらは血糖値がリアルタイム測定できない時代に着目された代替手段に過ぎず、全くの時代遅れで、糖尿病改善の役に立つ指標ではありません。

我々が向き合うべき情報は自身の血糖値のみであること、現在の混沌の先に明るい未来が必ず来ること、その2つを強調させていただき、本記事の締めとさせていただきます。

 

こんな光景になるより早く糖尿病が無くなる未来の方が来ると信じています

 

 

当ブログの代表的な記事はこちら。

HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

CGMマダオがイチオシする商品の一覧はこちら。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。

個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事等については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。

 

参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。