可能性のない獣

半寝たきりの2型糖尿病患者が書くあれこれ

『血糖値を下げる努力という幻想』について考える

はい。こんにちは。

マダオです。

 

今回は、食事などで上がってしまった血糖値を下げる努力は本当に報われるのか?について、お話したいと思います。

最初に結論から申し上げますと、何らかの努力で血糖値を下げるという触れ込みの情報の9割方は勘違いか、意図的な嘘です。

血糖値を下げる可能性がある手段は3つしかなく、努力の介在する余地がないor十分な血糖降下作用がないのです。

 

血糖値を下げる手段1つ目。

体に備わる機能で、血糖値を下げる働きを持つのは、インスリンのみです。

この効果は絶大で、健常者は自前のインスリンの働きのみで血糖コントロールが可能です。

しかし、自分の意思や努力でインスリン分泌量はコントロールできません

そして、そもそも我々糖尿病患者はインスリンが効きにくいから糖尿病になっていることが多いのです。

 

血糖値を下げる手段2つ目。

人工的に作れるモノでは、糖尿病薬のみが、血糖値を下げることができます。

ですが、薬には糖尿病を根治するような作用はなく、効果は限定的でしかありません

薬で治療できたら嬉しいですが、現在の糖尿病薬は虫歯の治療に鎮痛剤を使うようなものでしかないのです。

 

血糖値を下げる手段3つ目。

運動については、ある程度限定されますが、血糖降下作用が見込めます。しかし、ハードな運動を長時間行えば血糖値が下がるかと言うと否。適切な運動でなければむしろ血糖値は上がります。そして、残念ですが運動習慣というのは日本国民の7割が1年も継続できません。週に合計1時間の運動ですら、その水準です。まして死ぬまでさぼらず続けられる人など0.1%すらいないでしょう。

 

関連記事:気になる先生を追え!(Dr.ゆきなり先生①最適な運動療法)

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では、それ以外で血糖値を下げる手段は存在するのか?

食事などで上がってしまった血糖値を、努力や根性でコントロールできるのか?

マダオの知る限りにおいて、そんなことは不可能です。

 

人間が消化吸収可能なモノを食べれば、基本的には血糖値は上がります。

例外は水と塩くらいのものでしょう。

 

血糖値の急上昇をいくらか抑制してくれる物質というものも、確かに存在しますが、ハッキリ言って気休め程度の効果しかありません。

劇的な効果が望めるモノなら、医薬品として承認されていないとおかしな話で、そうでない以上、気休め程度でしかないのは自明です。

 

そして一定の効果があると言った運動や糖尿病薬も、糖尿病患者の高血糖を帳消しにしてくれるほど強力な効果はありません

最強の血糖降下薬であるインスリン注射を日常的に使用する1型で平均HbA1cは7.8%あり、膵臓の機能がまだ生きている我々2型でも平均7%は超えています。

 

病気認定されるレベルの高血糖というのは、あとから努力で下げられるほど生易しくはない、という事実を我々患者は認識する必要があります

血糖値を下げるナニカを追加して、良好な血糖コントロールを行う、という発想は分かりやすいですが、現実問題無理なのです。

 

では高血糖は放置するしかないのか、というと答えは否。

考え方が逆で、無理に下げる必要が出るほど血糖値を上げすぎなければ良いのです。

血液や尿に溢れるほど、糖が体内に満ち満ちているのが糖尿病なんだから、現在の自分の処理能力に合わせて、摂取する糖質を調整してやれば良いだけです。

 

まず食事で血糖値を上げすぎないことが、糖尿病対策の基本となる考え方です。

上がってしまった血糖値を努力や根性で下げられると考えるのは無謀です。

まずは、上げすぎないことです。

 

では、具体的に『上げすぎない』目安はあるのか?

当然あります。

健常者の血糖値は70~140と言われています。

糖尿病患者の目標であるHbA1c7.0は血糖値換算で130~180。

目安となる変動幅は50~70です。

つまり、食事1回の上昇幅は50~70程度に抑える必要があり、それが下がりきらないうちは、追加で糖質摂取する必要はないということになります。

 

 

ついでに言えば、主食として米やパン、麺類を食べなければならない、という強迫観念をお持ちの方は多いと思います。

食事量の50%を超えるような大量の炭水化物摂取が『健康のために必須』で、米や小麦のない食事など『不自然』で『道徳的ではない』と考える人も。

ハッキリ言うとそれは思い込みにしか過ぎません。

 

関連記事:主食(米)という名の幻想をぶち壊す!(糖尿病)

 

我々は糖尿病患者であり、血糖値を上げすぎてはならないのです。

健康を考えるなら、まず血糖コントロールが必要であり、良好な血糖コントロールをするために何を食べるべきかを逆算して考える必要があるのてす。

米、小麦、砂糖類は、自分にとって毒だと思った方がいいです。

GL値が高すぎるため、1グラムであっても、血糖コントロールを乱す可能性があります。

 

玄米なら~、全粒粉なら~、○○糖なら~とか言い出す人がいますが、ほとんど気休めです。多分、あなたの血糖値も爆上がりすると思います。どうしても確かめたければ、CGMを使って自身の血糖値で安全性を検証することをオススメします。

血糖値の上昇幅は極めて大きな個人差があるので、測定しない限り絶対とは言えませんが、マダオは米、小麦、砂糖類は一切オススメしません。

 

血糖値を急上昇させなければ、急降下に伴う耐え難い空腹感に悩まされることも激減します。

逆に言えば、血糖コントロールを乱す食品を中途半端に食べると、耐え難い苦痛に見舞われる可能性が高いので、いっそ完全に絶ってしまった方が楽だと考えます。

 

 

なお、不勉強な医療従事者がよく言う食事の50~60%は炭水化物で摂れ、という指導には何の医学的根拠もありません。

糖尿病患者に設定可能なPFCバランスは存在しないのです。

 

関連記事:マダオは、摂取カロリーの60%を炭水化物にするべきなのか??(糖尿病)

 

糖尿病診療ガイドライン2019すら読んでない人が我々患者に指導するなど、空恐ろしいものを感じます。人を指導する前に5分で良いから勉強して欲しいものです。

 

また、白米やパンを食べないと炭水化物が不足する、という栄養士さんも多いですが、これは不勉強以前の問題です。僅かですが牛肉にすら炭水化物は含まれますし、米や小麦以外のGL値の低い野菜にも炭水化物はしっかり含まれます。そして何より我々糖尿病患者の血液には炭水化物由来のブドウ糖が溢れており、糖尿病という立派な病名まで付いています。70を大幅に割り込むような低血糖からの回復が必要な場合を除き、GL値の高い炭水化物を大量に摂取する理由など欠片もないのです。

 

結論

まずは血糖値を測定しましょう

出来ればCGMを使った方が間違いありません。

そして血糖値を上げすぎない食事にしましょう

努力は血糖値を下げるために行うのではなく、上げすぎないために行うものです

血糖は、生命維持のために必要なものなので、上げすぎなければ、自然に消費して少しずつ下がっていきます。そこに血糖値を下げるための努力は全く必要ありません。生きてさえいれば勝手に血糖値は下がるのですから

 

上がってしまった血糖値を下げるための努力、という幻想は、分かりやすいですが、無理がありすぎる、と言わせていただきたいと思います。

 

 

血糖値を下げる努力、というのは美しい幻想にしかすぎません



 

当ブログの代表的な記事はこちら。

HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

CGMマダオがイチオシする商品の一覧はこちら。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。

個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事等については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。

 

参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。