可能性のない獣

半寝たきりの2型糖尿病患者が書くあれこれ

医者に怒られそうな運動の話(糖尿病)

はい。こんにちは。

マダオです。

 

今回は医者に怒られそうな運動療法にまつわる話をしたいと思います。

2型糖尿病の治療は食事療法・運動療法がセットで語られますよね。

糖尿病と診断されたときも、まずは食事療法・運動療法を頑張れと言われた方も多いのではないでしょうか。

しかし、2項目あるものは、必ず優劣があります。

限りある資源(時間・気力・体力等)をどのように振り分けるかはとても重要な問題です。

 

結論から言いますと、血糖値を下げるだけなら運動はほとんど必要ありません

完全に必要ない、と言い切ると問題になりそうですが、少なくともマダオがHbA1c9.7から5.5に落とすまでの期間では運動をしませんでした。

マダオは糖尿病発症時に既に別の病気に罹患しており、一日の半分以上をベッドで過ごす生活をしていたため、運動などしようがなかったのです。

もちろん人により体質や糖尿病の重症度は違うので、あまねく全ての2型糖尿病患者に運動が必要ないとは言いませんが、血糖値を下げるなら重要なのは断然食事療法です

ただし、伝統的な食事療法(カロリー制限)ではなく、糖質の量と『質』を見ながら調整する方法が有効です。(関連記事:血糖値と糖質の『質』(糖尿病) - 可能性のない獣

 

そもそも論ですが、運動習慣のある人というのはどれくらいの割合で存在するのでしょうか。

 

運動習慣のある人の割合はどれくらい?|より豊かな人生に向けた生活設計|ひと目でわかる生活設計情報|公益財団法人 生命保険文化センター 様

 

男性が33.4%、女性が25.1%


厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」によると、運動習慣のある人の割合は、男性が33.4%、女性が25.1%となっており、この10年間では女性が減少しています。

年代別にみると、男女とも70歳以上が、男性42.7%、女性35.9%と最も高くなっています。

 

※「運動習慣のある人」とは、1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している人。

 

『「運動習慣のある人」とは、1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している人』とあり『男性が33.4%、女性が25.1%』しかいないことが分かります。

糖尿病患者の運動習慣を調べた統計が見つからなかったので広く一般の日本人の統計データを見ましたが、糖尿病患者についても、上記統計の近似値になることでしょう。

 

上記統計では、週に1時間の運動をしていれば、運動習慣あり、とみなされます。

しかし、古いタイプの医師だと糖尿病患者は1日1万歩を目安に歩けと仰る方も多いです1万歩を歩くには、健康な方で1時間半程度必要です。毎日だと週に10.5時間の運動です。

 

週に1時間という基準ですら3割前後なのに、週に10時間以上の運動なんてできる人がどれだけいると思いますか??

いや、ゼロじゃあないと思いますよ。

先生に言われたし、糖尿病だし、今日から毎週10.5時間運動しよう。

そう固く決意し、その後の人生においてさぼらず実行できる人。

でも、そこまで厳しく自己管理できる人って1%もいないと思います。

 

そういう実情を踏まえてか糖尿病ガイドライン等はもう少しだけ現実的な数値目標にしてあるようです。

 

運動量の目安

糖尿病サイト 様

 

運動療法は毎日続けるのが理想ですが、必ずしも毎日でなくてもかまいません。歩行、ジョギング、水泳など、全身の筋肉を動かす中等度の有酸素運動を少なくとも週3回以上行いましょう。運動しない日が2日以上続かないようにしてください。1 回の運動時間は20~60分で、週に150分以上行いましょう。例えば歩行にすると、1 日あたり今より2,000歩ずつ歩数を多くすることで達成できます。

 

それでも週に150分。つまり2.5時間ですから、最初の統計の2.5倍の基準です。おそらく日本国民の上位10%が実行できるかどうかじゃないでしょうか。実際問題、週に150分の運動をこの先の人生でずっと継続していくというのは現実的な目標でしょうか?仮に今できるとして、70、80、90になっても絶対に出来ると言い切れますか??

それまでの人生で逆上がりはおろか、腕立ての1回すらできたことがない人というのは現実に存在しますし、学校を卒業して以来、運動なんかしたことないなんて人は珍しくもありませんにも関わらずハードル高過ぎやしませんか?

 

医療関係者が血糖値を下げるという触れ込みでオリジナルの体操を提唱し、YOUTUBE等でキレキレのダンスを披露していたりしますが、アホちゃうかなと思います。

ワシ等40を超えたおデブちゃんが、そんなダンス習得できるわけないやろ!

と全力でツッコみたくなります。

 

「ちょっと本気出せば誰でもできるだろ」的な強者の論理が医療現場にあるのが本気で不思議です。運動しろと言っている先生自身が週に150分運動する生活を一生続けられる自信あるんでしょうか。自分で絶対できないと思うことを患者に押し付けて病気が改善しない理由にしてない?と疑いたくもなります。

 

運動療法はできるならやったほうがいい。

それはマダオもそう思います。

実際、体調の良い日にはかかと落とし運動程度はやります。

しかし、やらなくても血糖値は下げられるし、運動できないことを気に病む必要はありません。

週に1時間の運動ですら7割の人ができないのです。まして2.5時間の運動なんて9割の人ができないでしょう。

9割の人ができないことを気に病んでストレスになるくらいなら、運動療法は食直後の短時間だけにして、あとは食事療法に全力投球した方が効率的だと思いませんか(特に運動苦手な人!)

なお、運動がある程度得意な人は毎食の直後に15分間ウォーキング程度の負荷の運動をするといいです。15分はちょっと・・・という人は5秒でも10秒でも心が折れない程度の時間でいいので毎食の直後に運動してみるといいと思います。0と1の間には無限の差がありますので。

 

 

これくらいの体してる人が運動を勧めるなら説得力ありますけどね〜。

 

当ブログの代表的な記事はこちら(食直後の運動についての記事もあります)

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

なお、本記事はマダオ個人の経験に基づく感想です。

個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。

 

参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。