可能性のない獣

半寝たきりの2型糖尿病患者が書くあれこれ

エリスリトールは危険?(ラカントやパルスイートの危険性)

はい。こんにちは。

マダオです。

 

皆さん、エリスリトールって言われてどんなイメージがあるでしょうか。

『血糖値的に最も安全な天然甘味料』だと思っていませんか?

 

砂糖の約20分の1のカロリー。

にも関わらず砂糖の70%の甘味度がある。

数々の実験でも血糖値を上げる作用は見つからず。

値段も1㎏あたり1,000円程度から入手可能。

 

これだけ聞くと夢の甘味料のように思えます。

糖尿病患者のために作られたような素晴らしい商品!

 

そんなふうに考えていた時期が俺にもありました

 

2023年2月28日、CNNでこの記事を読むまでは・・・。

 

カロリーゼロの甘味料、心臓発作や脳卒中リスク増大と関係 米研究 - CNN.co.jp 様

 

砂糖の代替としてステビアなどの甘味料に使われている「エリスリトール」について、血栓脳卒中、心臓発作や死亡リスク増大との関係を指摘する論文が、27日の科学誌ネイチャー・メディシンに発表された。

 

論文は米クリーブランドクリニック・ラーナー調査研究所のスタンリー・ヘイゼン氏らのチームが発表。研究の結果、糖尿病など心疾患の危険を伴う基礎疾患がある人は、血中のエリスリトール濃度が高い場合、心臓発作や脳卒中のリスクが2倍になることが分かった。

「エリスリトールの血中濃度の値が上位25%に入る人は、下位25%の人に比べ、心臓発作や脳卒中のリスクが約2倍に増大する」とヘイゼン氏は解説する。

 

Nature Medicineと言えば、一流と言って差し支えないレベルの医学誌です。

そこに『糖尿病患者等の血中エリスリトール濃度が高いと心臓発作や脳卒中のリスクが2倍になる』という衝撃的な研究結果が発表されたのです。

 

どうも『エリスリトールには血栓を作る作用がある』とのこと。

できた血栓が脳や心臓で詰まり、死に至るようです。

 

全くもって悪夢のような話です。

いくら血糖値が下がろうとも、心臓発作や脳卒中で死んでしまっては意味がありません。糖尿病の治療目的は血糖値を下げることではなく、合併症や併発症で死なないことなのですから、ダイレクトに死亡リスクを上げる可能性があるエリスリトールを使用し続ける意義は消失したと言ってよいでしょう。

 

エリスリトール?そんなの使ってないから、関係ないよと思ったそこのあなた。

ラカンカラカントS)パルスイートステビアを使っていたりしませんか?

マダオの知る限り、わが国ではエリスリトールそのものは一般的に流通していませんが、ラカントSやパルスイートという商品名で流通しています。

 

ラカントSは、少量のラカンカに大量のエリスリトールを入れた商品。

パルスイートは、少量の人工甘味料に大量のエリスリトールを入れた商品です。

ステビアはちょっと珍しいですが、ステビア100%の商品は多分一般人では入手できません。入手できるとすれば、エリスリトール入りです。

 

カロリーゼロや血糖値を上げないと謳う甘味料には、エリスリトールは、ほぼ間違いなく入っていると思って良いでしょう。

 

じゃ、何を使えばいいんだよ!というご意見はあろうかと思います

砂糖はご存じのとおり血糖値を爆上げする食品の代表格ですし、人工甘味料も人を糖尿病にする効果を強く疑われています。

 

関連記事:人工甘味料は危険?(糖尿病) - 可能性のない獣

 

次善の策として、マダオがお勧めするのはキシリトールになります。

 

 

とはいえ、全面的にお勧めできるものではない、ということもお伝えしておきます。

 

現在、マダオが把握しているキシリトールの弱点は3つあります。

①血糖値の上がり方に個人差があるらしいこと。

 マダオはほとんど影響を受けませんが、もしかすると血糖値が大きく上がる人もいるかもしれません。

②砂糖の70%程度とはいえキチンとカロリーがあること。

 エリスリトールと同じような感覚でバリバリ使うと血糖値が上がらなくても太る可能性が高いです。

③大量に摂るとお腹を壊す人がいるということ。(個人差あり)

 

またエリスリトールと比較して2倍程度(㎏単価2,100円前後)の価格になるため費用負担が大きいのも弱点と言えるでしょう。

ただし、スーパーなどで販売しているパルスイートやラカントSと比較すればまだ安い部類になので致命的というほどではないかと・・・。

 

個人的に気になっているポイントは、キシリトール代謝に肝臓を使うという部分です。

果糖と同じく脂肪肝の原因になるのではないか、と疑っているのですが、調べた限りではそのような記述はみつかりませんでした

 

これなら安心かというと微妙なところです。

今までは血糖値を全く上げないうえに安いエリスリトールというライバルがいたため、キシリトールをメインに使う人は少なかったはずです。

つまり、エリスリトールと比べるとキチンと研究されていない可能性があります

 

脂肪肝については、キシリトールを数ヶ月使用したうえで血液検査してみれば、何となくはリスクが分かりそうですが、血液検査で判明しないようなナニカがないとは言い切れません。一応、現状、厚生労働省もWHOも安全な甘味料として取り扱っていますが、それはエリスリトールとて同じですので・・・。

 

逆にエリスリトールと比較して良いところは、砂糖と同じ甘味度があり、水にも溶けやすいため、砂糖と同じ感覚で料理に使いやすいことが挙げられます。

それだけかい!ってなるかもしれませんけど、普通に使えるのはとても大事です。

研究所レベルで開発されていても入手できなければ無意味ですからね。

そして、もう一つ利点を挙げるならば、世界中で使用されているメジャーな甘味料であるため、何かの問題があった場合も、比較的早くリスクを把握することが可能になるであろうことです。(奇しくも今回のように)

 

実際問題、甘味料を一切摂らないのが一番安全なんでしょう。

しかし、今以上に料理の幅が制限されてしまうのも避けたいところです。

なので、ほどほどにキシリトールを使いつつ血液検査や健康診断結果に異常がないか慎重に見極めていくのが現実的なラインと言えるでしょう。

 

なお、マダオと同じくエリスリトールを使っていた諸氏は、血栓症の検査をしてみてもいいかもしれません。血液検査で簡易的に測定できるそうです。

 

 

それにしても、あれもダメ、これもダメという話ばかりで嫌になりますね。

そもそも論で、精製された食品や加工食品のほとんどが糖尿病患者にとっては危険物である以上、エリスリトールと同じ糖アルコールであるキシリトールにも何か落とし穴があるんじゃないかと思うのが普通です。

しかし、ボクらは今日を生きていて、食事をする必要があるのです。

医学的に完全な結論が出るまで一切食事をしない、という選択肢は取れません。

今、考えられる中でベストの選択をし続けるしかないのです。

 

 

 

ぼくらの糖尿病は、完璧な結論が出るまで待ってくれないのだから

 

 

当ブログの代表的な記事はこちら。

HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

CGMマダオがイチオシする商品の一覧はこちら。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。

個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事等については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。

 

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