可能性のない獣

半寝たきりの2型糖尿病患者が書くあれこれ

糖尿病にならないマウスの話(脂肪肝の新しい治療法を発見)

はい。こんにちは。

マダオです。

 

昨年末、東京工業大学様(以下、本ブログでは東工大とお呼びします)が発表したニュースをご紹介したいと思います。

マダオ的にとても興味深いお話なのですが、動物実験レベルであるため、糖のニュースではなく雑記カテゴリにしておきます。

 

脂肪肝の新しい治療法を発見 特定の酵素の阻害薬の投与で肝臓に蓄積した脂肪が減少 | 東工大ニュース | 東京工業大学 様

 

脂肪肝の新しい治療法?そんなの糖尿病と関係ないんじゃね?とお考えになった貴方。

正しいかもしれませんが、多分正しくありません。

 

なぜあやふやな物言いになるかというと・・・。

少し脇道にそれてしまいますが、皆さん2型糖尿病の原因って何かご存知でしょうか。

インスリンが~、という話を究極的に遡った根本原因の話です。

実は、明らかな根本原因というのはいまだに判明していないそうです。

だから、2型糖尿病の薬も対症療法的なものばかりだし、根治させることができないんですね。

 

もちろん、肥満が関わっているパターンが多いのは当然知られていて、脂肪肝になると糖尿病に発展するのではないか、というのは確度の高い話として認識されているようです。

 

そこで出てくるのが東工大の『脂肪肝の新しい治療法を発見』というお話です。

 

要点からいうと

PTPROという酵素を欠損したマウスは、高度肥満状態でも脂肪肝脂質異常症糖尿病を発症しないことを発見

高度肥満マウスにPTPRO阻害薬を1ヶ月間投与することで脂肪肝脂質異常症糖尿病の改善に成功

PTPROという酵素に(1)インスリンの働きの抑制、(2)炎症反応の促進、(3)脂肪組織への脂肪の蓄積の抑制という作用があることが判明した

ということになります。

 

つまり、肥満を伴う糖尿病の何割か、もしくは全ての原因が、このPTPROという酵素の働きが強すぎることによるかもしれない、という可能性が示唆されたのです。

しかも、既に糖尿病になっていても、PTPRO阻害薬の投与で改善するとのこと。

 

ただ、勘違いしてはいけないのは、PTPROが欠損すると糖尿病にならないだけであって、太らないわけではない、ということ。(脂肪がつく場所が内臓脂肪から皮下脂肪に変わるだけのようです)

しかも、PTPROが欠損しているマウスは、非常に太りやすいようです。

『脂肪と砂糖が大量に含まれる高カロリーのエサで飼育』すると通常のマウスと比較して、『摂食量が多く、体重の増加も著しく大きい』ことが今回の実験で判明しています。

 

台無しじゃん、と思いきや、PTPRO阻害薬を投与したマウスには体重増加は見られなかった、ということなので、少なくとも1ヶ月程度の薬剤投与では、太ることにはならないようです。

 

素晴らしい内容ですね!

多くの日本人が、白人のような巨体になることができない、というのも、この酵素の働きの差によるものである可能性が高い印象を受けます。

 

とはいえ、あくまでマウスを使った動物実験レベルであることを忘れてはいけません

人でも同じ結果になるかはやってみなければ分かりません。

人のPTPROに知られざる役割があり、阻害薬の使用で突然死!などという可能性もあります。

そもそも、本実験で使用されたPTPRO阻害薬が人体に使用できるシロモノではないからこそ、『PTPROを標的とする新規の医薬品の開発によって、肥満によって誘発される脂肪肝(炎)、脂質異常症、糖尿病などを統合的に治療することが可能になると期待される。』と結ばれているのでしょう。

 

つまり、先のながーいお話です。

でも、東工大といえば、日本の理系のトップ層が集まる大学として有名です。

もしかして、もしかするかも、という期待をしてしまうのはマダオだけではないのでしょうか。

 

マウスは一足早く糖尿病のない世界へ・・・!

 

 

当ブログの代表的な記事はこちら。

HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。

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なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。

個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事等については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。

 

参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。