はい。こんにちは。
マダオです。
東洋経済オンライン様にて、スマート外来をやっているという肝臓外科医の先生の記事を公開していたので、糖尿病患者目線で見てみたいと思います。
医師提案、肝臓から脂肪を落とす「コンビニ活用法」 | 健康 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース 様
まず上記記事は肝臓から脂肪を落としスマートになるための内容であって、糖尿病を改善するための内容ではありません。しかし、皆さんも御存知のとおり、肥満を伴う糖尿病は脂肪肝から派生する可能性が高いことが広く知られており、脂肪肝の抑制という分野は糖尿病の改善に極めて近い隣接領域ということができます。
普段、我々がお世話になっている糖尿病内科、腎臓内科ではない肝臓の専門家がどのような指導をおこなっているか知ることは、糖尿病を知る上でも大きな助けになると思い、本記事執筆の流れとなりました。(とはいえ、糖尿病そのものの話ではないので、カテゴリは糖のニュースではなく、患者目線で考察するにしています)
まず、ガチの糖尿病患者のマダオさんからすると、『コンビニは鬼門』です。
売っている飲食物のほとんどは、米、小麦、砂糖等(ぶどう糖果糖液糖や人工甘味料含む)が入っており、口にできる商品がほとんど存在しません。
無糖コーヒーでもカフェインは血糖値を上げる作用がありますし、糖質を含まない蒸留酒でもアルコールが肝臓に負荷をかけるために血糖コントロールを狂わせてきます。
とはいえ、この先生が仰る内容は基本方針としては極めて正しい、とも思います。
方法論をそのまま実践しても、おそらく糖尿病予備群くらいの人、糖尿病でも極めて軽症の人であれば十分な効果が出るだろうと推測します。
実際、『患者の8割が3カ月で約5kgの減量と、脂肪肝の改善に成功』しているとのことで、糖尿病患者であっても参考にできる部分が多い内容になるでしょう。
前置きが長くなりましたが、実際に内容を見ていきましょう。
脂肪肝の多くは毎日の食事によるものであり、放置すると危険な脂肪肝炎、肝硬変に進みます。そして、今後10年以内に脂肪肝炎が日本人の死亡原因の1位になると予測されています。事実、アメリカではすでにそうなっています。でも、食習慣が原因の脂肪肝は、肝臓をいたわる食事で体重を落とすことで改善できます。
ということで、いきなり本質的なお言葉をいただきました。
『脂肪肝は食事の内容により改善できる』
ここは重要ポイントです。
ハードな運動(運動療法)やカロリー制限(食事療法)ではありません。
あくまで食事内容の改善が脂肪肝改善のポイントと仰っています。
ここは糖尿病を改善したいマダオの主張と完全に合致します。
そのために実践してもらっているのが、毎日体重を量って記録すること。そして、減量期間は3カ月と決めます。目標とする体重は、現在の体重の7%減です。体重を7%減らすと肝細胞から脂肪が減少するためです。
記録の重要性についても全く同意いたします。
当ブログイチオシのゆきなり先生も仰っています。
『毎日体重を測るのと同じように血糖値を毎日測定しなさい』と。
そして、実は血糖値の抑制は、太るホルモンであるインスリンの抑制に繋がり、体重減少に繋がります。
つまり、我々糖尿病患者にとっては、ここの体重計という言葉は血糖測定器(CGM)と読み替えた方が効果が出やすいでしょう。
そして、体重を7%減らすことが目標、というのは似たような数値目標を糖尿病の改善でも聞いたことがあります。たしか、ニューカッスル大学のロイ・テイラー教授が5%の体重減少を提唱していたと記憶しています。
7%の体重減という目標のために何をするか、ですが、
食事ルールを示すうえで、肝臓の脂肪を作るモトを知っておかなくてはなりません。肝臓脂肪の60%は皮下脂肪や内臓脂肪が溶け出したものです。残り40%のうち、食事でとった脂質からは14%。同じく食事でとった糖質から合成される分が26%です。脂質も影響しますが、それ以上に大きく脂肪を増やす要因になるのが“糖質”なのです。そのため、まずは糖質が多いご飯、パン、麺などの主食の量を控えることをルールにしています。
ただ、糖質をゼロに近づける極端な糖質制限では継続が難しく、食事での満足感も得にくくなります。なので、肝臓から脂肪を落としつつ、糖質が過剰にならない“緩やかな糖質オフ”を推奨しています。1食の糖質量は20〜40g。1日のトータルで130g以下になるようにします。
1食の糖質量を守るには、ご飯なら茶碗1/2杯(70g)、パンなら6枚切り1枚(60g)、麺ならゆでた後の重量で120gまでが上限です。この量なら主食の糖質量は25gを超えません。なお、一般的なラーメン店でのゆでた麺は並盛で280g程度。食べていいのは半分以下なので、ラーメン店での食事は現実的に難しいことになります。
その代わり、Sさんに活用してもらったのが「コンビニ」です。サラダチキンや豆腐バーなどのタンパク質をとれる商品、カップサラダ、小さなおにぎり1個の組み合わせで、コンビニの商品による肝臓をいたわるランチ献立ができます。
とのこと。
重要な情報が多すぎるので、まずは、まとめて引用させてもらいました。
『肝臓脂肪の60%は皮下脂肪や内臓脂肪が溶け出したもの』であり『残り40%のうち、食事でとった脂質からは14%、糖質から合成される分が26%』とあります。
体内の脂肪由来のものが60%もある、ということに驚きですが、コントロール可能なのは、食事内容の方です。
そして『大きく脂肪を増やす原因となるのが“糖質”』である、と仰っています。つまり、制限すべきはカロリーではなく糖質なのです(超大事)。
『肝臓から脂肪を落としつつ、糖質が過剰にならない“緩やかな糖質オフ”を推奨しています。1食の糖質量は20〜40g。1日のトータルで130g以下になるようにします』
ここも重要です。米・小麦・砂糖を一切摂らないマダオであっても計算すると1日100gくらいは糖質を摂取しています。つまり、1日130gは、一般的にはかなりキツイ糖質制限になると思います。
とはいえ、糖尿病患者の場合、一律の基準による糖質制限はお勧めしません。なぜなら糖尿病患者の血糖値は、想像できないくらい上がりやすく下がりやすいからです。血糖測定を通じて自分の安全ラインを見極めない限り命に関わる事故が起こる可能性が高いです。
『1食の糖質量を守るには、ご飯なら茶碗1/2杯(70g)、パンなら6枚切り1枚(60g)、麺ならゆでた後の重量で120gまでが上限』と例示されています。
ここも糖尿病患者にとっては、参考にしてはならない部分です。
白米、パン、麺はどれもGL値が極めて高いため、少量でも血糖値を爆上げする可能性があります。血糖値を実測してみないと確実なことは言えませんが、主食は水煮大豆などに置き換えるしかないと思います。
当然、『ラーメン店での食事は現実的に難しい』ということで、必然的に牛丼屋なんかもNGになるわけです。
するとランチをどうするか、という疑問に『コンビニ』という回答をされています。
コンビニでどんな商品を購入すべきか説明しましょう。買うものは3つのみ。①タンパク質がとれる食品、②カップサラダ、③おにぎり1個です。それ以外は考えなくていいので、迷うことはありません。
しかも、『買うものは3つのみ。①タンパク質がとれる食品、②カップサラダ、③おにぎり1個』とのこと。
素晴らしいシンプルさですね。
敢えて言おう、Great!Fantastic!Marvelous!であると!
シンプルな対策というのは、覚えやすく運用的にもとても硬いです。
当ブログでも、「やはりシンプル・・・・‼シンプルは全てを解決する・・・・‼」と繰り返し言っていますが、面倒なやり方というのは絶対に長続きしないものです。
そういう意味で「コンビニ行って3つだけ商品買ってこい」というのは、素晴らしい提案内容であると思います。
量的に不満があるときは、①のタンパク質がとれる食品をいくつか買えばいいでしょう。
あとは・・・、糖尿病患者にとって、おにぎりは危険物なので水煮大豆等に置き換えることをマダオはオススメします。日持ちするので予めまとめてスーパーで買っておけばいいでしょう。そして他の2つは味付けに砂糖を使っていなければOKです。
また、カップサラダの代わりに野菜ジュースを購入してはいけない、と注意喚起されているところもポイントが高いです。甘いジュースは、血糖値を爆上げしますからね。
ということで、いかがだったでしょうか。
微妙な細部については、糖尿病患者にそのままオススメはできないものの本質的な部分は、糖尿病の対策としても十分通用する内容であると思います。
肝臓外科医 尾形 哲先生・・・!
ただものではありません。
長野県佐久市立国保浅間総合病院にいらっしゃるということですが、近所じゃないのが悔やまれます。
マダオとしても大満足で、大変勉強になりました。
本当にありがとうございました。
当ブログの代表的な記事はこちら。
HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。
個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事等については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。
参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。