はい。こんにちは。
マダオです。
最近、体調不良が続いていたため、文章の推敲ができず、書き散らかした記事未満の駄文の数だけ溜まっています。
どうにか仕上げたいと思っていたところで、以下の記事を発見してしまいました。
とうとう『薬で糖尿病が治る!』と主張する先生が出てきたのです。
それが事実であれば、糖尿病は根絶、もしくは根絶に近い状況になります。
糖尿病の根絶は、マダオが心から望んでいる未来であり、本ブログの最後の記事として相応しい内容ですが、果たして…!?
【糖尿病】太るタイプの2型糖尿病は薬で“治る”時代へ… 専門医に聞いた|日刊ゲンダイヘルスケア 様
これは東邦大学医学部内科学講座糖尿病・代謝・内分泌学の弘世貴久教授のインタビュー記事です。
当該記事において弘世先生は、糖尿病が"治る"理由として
「ゲームチェンジャーというべき新たな薬が相次いで登場したからです。SGLT2阻害薬に続き、今年の4月に日本で認可されたチルゼパチド(商品名:マンジャロ(R))という注射薬は、臨床試験において週1回40週間最大用量を投与した場合、1~2カ月の血糖値の平均をあらわすHbA1cが平均5.4%まで低下し、体重が平均11.2キロ減少したと報告されています。しかも、この薬は弱くなった膵臓のインスリン分泌の能力を高め、食欲を抑え、脂肪分解を促進するなど糖尿病患者さんにとって好ましい働きをします。注射だけでこれだけの効果が得られるので、太っていて運動や食事制限が苦手でやせられない患者さんこそチャンスです。適応のある患者さんにはチャレンジして欲しい薬です」
と仰っています。
マンジャロを使えば、ほとんどの患者が長期的且つ安全にHbA1c5.4%まで下げられるのであれば、糖尿病治療は、この薬のみで全てが事足りる事になります。
運動療法も食事療法も過去の遺物!(?)
薬さえ切らさなければ糖尿病は治る!(?)
寿命も健常者並になる!(?)
もし本当にそうならば、マダオが夢見た糖尿病が克服された世界の到来です。
本ブログの役割もお終いです。
しかし、この話は本当でしょうか?
実際、8ヶ月前に発売されたばかりのマンジャロは、分からないことが多すぎます。
何せその薬を5年、10年と使用したことがある人が存在しないからです。
糖尿病薬は、短期的にHbA1cをどれだけ下げるかを目標に開発されており、長期的に寿命を伸ばす効果があるのかまでは確認されていません。
かつてのロボトミー手術や優生学の話まで持ち出すと大袈裟かもしれません。しかし、一旦有効と思われた治療や思想が後から有害だと分かった例は枚挙に暇がありません。
実際に安易に飛びつくべきではない、という主張をする専門家も多くいます。
米国で承認された「肥満治療薬」では、本質的な健康は手に入らない | WIRED.jp 様
また他の医師でマンジャロで糖尿病が治る!と主張する人はまだ見当たりません。
アメリカ糖尿病学会においても、GLP1受容体作動薬が条件付きの第一選択薬候補となったばかりで、マンジャロだけが特別な扱いを受けているという話は聞いたことがありません。
要はマンジャロの継続使用により、これから何が起こるのか起こらないのかは、まだ誰にも分からない、ということです。
ただし、この資本主義社会を生きるにおいて、一つ気にしなければならない事があります。
利益相反の可能性です。
医学論文では、俗に言う利益相反行為があるかないかを表明しなければなりません。
つまり医学誌に論文を出すなら、弘世先生とマンジャロのメーカー(イーライリリー社)に金銭の授受を伴うような関係があるかどうかを表明する必要があります。
しかし、日刊ゲンダイヘルスケアはご存知の通り医学誌ではなく、利益相反を明らかにする必要はありません。
そして、パッと見た限り、弘世先生はマンジャロのメーカーであるイーライリリー社と10年程度は継続した取引関係があるようです。
https://dm-net.co.jp/enq/002/pdf/newsletter001.pdf
一般紙とはいえ、今この段階でこれほど踏み込んだ発言をする弘世先生には、お金の匂いを強く感じてしまうのですが、考えすぎなのでしょうか?
明るい話題は、喉から手が出るほど欲しい!
しかし、こうまであからさまに怪しいと信じる気分にはとてもなりません。
ということで、マンジャロが糖尿病を恒久的に治せるかどうか判断するには時期尚早だとマダオは考えます。
調べた限りにおいて、弘世先生のお話で確かなのは、40週間のマンジャロ治験においてHbA1cと体重が顕著に落ちた、という部分だけです。
当然、イーライリリー社も糖尿病を完治させる効果など謳っておりません。
マンジャロが5年後、10年後でも同じ効果を維持できるか、また命に関わるような副作用が今後出てこないかは神様以外には絶対に分からないのですから。
なお、現状のマダオの個人的な意見としては、脳に作用する薬を長期間服用するのは遠慮したいというものです。
精神病で他に選択肢がないなら仕方ありません。
しかし、知られざる副作用で脳に不可逆的な変質が起こった場合、リカバリーの手段はまずありません。
また言うに及ばずですが、全ての生物は食べられなくなった時が死ぬ時です。脳に作用させて食欲を落とすというのは生物として大きなリスクを背負う気がしてなりません。
効果が強い薬は副作用も強い、という話を過去の常識と言ってしまうのはあまりに危険過ぎます。
マンジャロについては、せめて5年は様子を見てから個人的な是非を再考したいと思います。
当ブログの代表的な記事はこちら。
HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。
個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事等については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。
参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。