可能性のない獣

半寝たきりの2型糖尿病患者が書くあれこれ

2023年を半寝たきりの糖尿病患者が振り返る(ニュース編)

はい。こんにちは。

マダオです。

 

本日は2023年の糖尿病関連のニュースを振り返って思ったことをお話したいと思います。

本ブログの運営に対するマダオの姿勢を大きく変えた、その内容とは?

 

ご紹介するのは2つ。

①患者の寛解率1%という絶望的な治療成績が明らかに

②薬で糖尿病が治ると主張する医師がとうとう現れる

となります。

では早速まいります。

 

①患者の寛解率1%という絶望的な治療成績が明らかに

始まりは新潟大学が5月にした研究報告でした。

 

糖尿病患者の100人に1人は「治っていた」~4万8千人の患者データ解析で明らかになった 「寛解」の頻度と条件~ | 研究成果 | ニュース - 新潟大学 様

 

長年明らかにされて来なかった日本人糖尿病患者の寛解率が突如発表されたのです。

 

本ブログを開設した当初は、自身がHbA1c9.7→4.8にできたのは『ちょっとは珍しいんじゃない?』くらいの感じで、まさかHbA1c6.5%未満にできる人すら1%しかいないとは夢にも思っていませんでした。

1%しか有意に改善しない治療って何なんでしょう?しかも、その3分の2は1年後に悪化してしまうというオマケ付き。

祖父たちが頑張ってきた糖尿病治療は、やはりデタラメだった!という怒りが強く、2本の記事を相次いで書きました。

 

関連記事①:【マダオが気になる糖のニュース】糖尿病患者の努力は99.7%報われない

関連記事②:糖尿病寛解者の統計データを寛解中の糖尿病患者目線で考える

 

それまで、糖尿病薬の効果を疑うような記事を書くことを控えていましたが、そこもハッキリ書くことにしました。

糖尿病薬は糖尿病を全く治していなかった!と。

 

関連記事:糖尿病薬は糖尿病患者の死亡率を下げない

 

HbA1cや体重のチェック、単純なカロリー量や糖質量の削減で、糖尿病が良くなるなら誰も苦労しないんです。

まして薬なんかで!

 

やはり血糖値ベースの生活改善が地味だけど強い。

そう思っていたマダオを揺らがせたのが次のニュースです。

 

②薬で糖尿病が治ると主張する医師がとうとう現れる

これは12月になって公開された記事で、見つけた時愕然とした記憶があります。

 

関連記事:糖尿病を治す薬(!?)『マンジャロ』を考える

 

今年4月に発売されたばかりの新薬で糖尿病が治る!と主張する医師が現れました。

イーライリリー社のマンジャロという薬です。

これはGLP1受容体作動薬にもう1つ機能を加えた、新しい作用機序を持つ新薬です。

治験の成績は抜群で、大きな体重減少効果まであったので、確かに大変注目されています。

 

しかし、約1年の治験で確認されたのは、HbA1cと体重の低下のみです。

真に確認すべきは、本薬により糖尿病患者の高い死亡率がいくらかでも低下するのか、という部分です。ですが、死亡率は長い時間をかけて統計をとらないと分からないため、現在進行形で調査中です。

 

また1年の治験では大きく死亡率を上げるような副作用は見つかりませんでしたが、これから5年、10年と継続使用した場合、何が起こるかは誰にも保証はできません。むしろ脳に強く作用して食欲を落とすという精神病薬を連想させる本薬に深刻な副作用の報告が少ない、というのが何ともキナ臭いです。

 

現状間違いなく言えるのは、マンジャロには短期間の強いHbA1c低下・体重減少効果がある、ということだけです。それだけをもって糖尿病が治る、と表現する医師には、利益相反あるんじゃ?としか思えません。

 

またマンジャロは単剤で、HbA1c8.2%を5%台にできるようですが、これは既存の常識だと大変危険な挑戦です。

皆さんの大半がHbA1c7.0%未満を目指せと言われ、投薬を受けていると思いますが、なぜ6.5%や5.7%ではないのでしょう。

せっかく投薬するなら6.5%の糖尿病ラインを下回らせるのは最低限必要な気はしませんか?

また境界型糖尿病という分類をわざわざ作る程度には大きな健康被害があるのだから、5.7%未満を目標にしていいハズです。

例えば現状7.0%なら1つ2つ薬を追加すれば理論上5.7%未満に到達できます。実際、既存の糖尿病薬でも組み合わせればその程度のことは十分可能です。

しかし、そんな処方をする糖尿病内科医はいません。

なぜなら強力な血糖コントロールを目指した投薬により逆に死亡率が高まるからです。(ACCORD試験)

 

一応、マンジャロは同成分の肥満治療薬ゼップバウンドもあり、米英では承認されています。なので、HbA1cがいくつだろうと、肥満治療薬としての単剤使用なら問題ないのでは?という意見もありえます。

しかし、日本で既に承認された肥満治療薬ウゴーピと同じ条件で承認されるかも?と仮定すると糖尿病等の持病持ちでもBMI27が必要です。また最大投与期間も68週までと決まっています。

 

マダオが参考にしたHP:やまおか内科クリニック 様

https://y-naika-clinic.com/2023/11/16/semaglutide/#i-2

 

糖尿病患者の平均BMIは概ね25を切っているため、7割がたは対象外ですし、1年4ヶ月の使用期限付きなのも厳しい。

ということで、副作用が全くなかったとしても、糖尿病薬を使用し7.0%未満を目指すだけならば、マンジャロでなくてもいいし、7.0%未満という着地点が同じなら死亡率も大きくは低下しないはず、というのがマダオの読みです。

 

ただし、もしも既存薬と違い、安全かつ長期的にHbA1c5.7%未満を維持できるなら、薬で糖尿病が治る時代が到来したことになるんですよね。

その可能性がゼロではない現状、薬で糖尿病が治る!と主張する人が出てきた場合、かなり悩ましいと感じます。

同じ結果が得られるなら、少しくらい割高で未確認のリスクがあっても手軽な手段の方が一般にウケますからね。

マダオが主張する血糖値ベースの治療はもしかしたら、迂遠で時代遅れなやり方になってしまったのかもしれません…。

 

結局2024年はどうするの?

以上のことから、マダオは本ブログの運営について少し悩んでいます。

現状、国内標準とされる糖尿病治療には99%効果がないのは明らかです。

また『糖尿病を治す』新薬マンジャロについて、長期的な良し悪しを評価することは、現状誰にも不可能です。

新薬が既存にない大きな効果を謳うのはあるあるなので、そこまで期待をしていない、というのが本音ですが、『薬で糖尿病が治る』と主張する医師が出てきたことで、何だか気が抜けてしまったのも事実です。

 

ということで来年から少し更新頻度を落とすことになると思います。

内容は・・・うーん。もう少し何とかならないか考えます。

 

本当に薬で糖尿病が治ってくれたら、心の底から嬉しいんだけどなぁ・・・。

 

望みは薄いと分かっていても信じたくなる心の弱さよ

 

 

当ブログの代表的な記事はこちら。

HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

CGMマダオがイチオシする商品の一覧はこちら。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。

個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事等については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。

 

参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。