可能性のない獣

半寝たきりの2型糖尿病患者が書くあれこれ

糖尿病寛解者の統計データを寛解中の糖尿病患者目線で考える

はい。こんにちは。

マダオです。

 

先日、ご紹介させて頂いた新潟大学様の研究結果について、もう少し深く切り込んでみたいと思います。

 

糖尿病患者の100人に1人は「治っていた」~4万8千人の患者データ解析で明らかになった 「寛解」の頻度と条件~ | 研究成果 | ニュース - 新潟大学 様

 

当該研究は、日本人の2型糖尿病患者の中にも稀にいる寛解者の割合や属性を調査した内容になります。

寛解とは、症状が治まって穏やかな状態であるという意味です

なお、当該研究における寛解アメリカ糖尿病学会の基準に準じており、3ヶ月以上投薬無しでHbA1c6.5未満を維持していることが条件となります。

 

この研究内容を知ることで、糖尿病を改善させるキッカケになるかもしれません。

久しぶりに興味深い題材がやってきたので、マダオさんも気合いが入るところであります。

 

そう言えば、ご存知の方もいるかと思いますが、当ブログの管理人マダオは、血糖値440且つHbA1c9.7の状態から、血糖値81且つHbA1c5.2に寛解させている2型糖尿病患者です。

なので、ここでは単なる数字の羅列ではなく、ある程度実践的なコメントをさせていただきたいと思います。

 

 

では早速参りましょう。

 

まずは前回ご紹介した記事のおさらいから。

 

○糖尿病を寛解する人の割合は1%。

○その内の3分の2は、1年後には血糖値が悪化してしまい、寛解状態ではなくなる。

 

惨憺たる内容ですね。

糖尿病の治療内容の見直しはもちろんのこと、糖尿病の診断基準の見直しも必要ではないかと思います。HbA1c6.5を超えてから本格的な治療を行ったところで99%有意な回復は見込めない、ということになるのですから。

もっと早い段階で、もっと有効な治療を施す必要があるのは、無職の40代男性(匿名希望Mダオさん)ですら分かります。

 

前回はここで終わってしまったのですが、では糖尿病を寛解した人達は、どんな属性を持っていたのか気になりますよね。

彼らの真似をしたら、寛解できる可能性がありそうです。

では、新潟大学様の統計データを見てみましょう。

1,000人中10人が標準のところ、明らかに寛解発生率が高いグループが6つあるのが分かります。

 

第1位  1年以内に体重10%以上低下させた人 約50/1,000

第2位  HbA1cが6.5~6.9の人 約30/1,000

第3位  1年以内に体重5.0~9.9%低下させた人 約25/1,000

第4位  薬物治療をしてない人 約20/1,000

第5位  糖尿病罹患期間1年未満の人 20弱/1,000

第6位  BMI35以上の人 20弱/1,000

 

飛び抜けて高いのは、この6グループです。

 

素人目線で1番意外なのは、第4位薬物治療をしてない人、ではないでしょうか。

薬物治療をしているグループ比で約6倍の寛解を誇ります。

薬を飲めば病気が良くなる、というのは他の病気に限ったお話です。

糖尿病薬は、鎮痛剤みたいなもので、糖尿病を根治させる力などありません

薬の使用をしている人は、現在のHbA1cがどうであれ中等症以上の分類だと思った方が良いでしょう。

もちろんHbA1c7.0%以上を放置するよりは良いのですが、薬はHbA1cを下げるだけであって糖尿病を良くしているわけではない、ということを肝に銘じた方が良いでしょう。

 

次に意外なのは、第6位BMI35以上の人ですかね。

BMI20未満のグループ比で約3倍の寛解を誇ります。

高度肥満者は寛解から最も縁遠い存在に思われるかもしれませんが、違います。

太れる、ということは、十分なインスリン分泌があるということに他なりません。

つまり、まだ完全に膵臓は壊れていない、後戻り可能な状態であることを示しています。

 

そして1周回って驚かれそうなのは、第1位、第3位の体重を減らした人。

糖尿病を改善したければ痩せろ!とよく言われますが、1年以内に体重を10%以上減らしたところで95%の人は寛解できない、という事実は重たいです。

実のところ、体重を目安に糖尿病改善、というのは無理です。

高血糖は大量のインスリン分泌を促して高体重をもたらしますが、高体重は必ずしも高血糖をもたらさないからです。

寛解した人達の実態としては、体重を減らしたから血糖値が下がったわけではなく、血糖値が下がったから体重が減ったと考えるのが自然でしょう。

ここの順序を勘違いしている人が多くて本当に不思議なのですが、体重を減らしたいなら、まず血糖値を下げるべきです。高血糖は確実に高体重をもたらします。

 

 

あとは肌感覚とそこまで差がないのでサラっと行きましょう。

 

第2位のHbA1c6.5~6.9の人は当然ですよね。

ゴールが誰より近いんだから。

HbA1c0.5下げるだけで良いので、難度が大分下がります。

しかし、気付いていますか?

次点であるHbA1c7.0~7.9のグループがランクインしていないことに。

同グループの寛解率は10/1,000程度と平均レベルまで一気に落ち込みます。

それ以上HbA1cが悪化すると更に…。

早期発見、早期治療が大事なのはガンだけではありません。

 

第5位の罹患後1年未満の人も違和感ないでしょう。

異常な期間が短いほど、体が受けるダメージは少なくて済みますから、正常化させやすいのは当然です。

これも次点のグループになると平均レベルになるのは要注意です。

罹患後1年~4.9年くらいは平均レベルですが、そこから先はかなり厳しい確率との戦いになるでしょう。

 

さて、ざっくりではありますが、寛解者の統計データをマダオなりに解説させていただきました。実は寛解を1年間維持した人も同傾向であり、あらためての解説は不要だと判断しております。

 

 

そして、ここまで読んだ貴方に質問です。

糖尿病を寛解した人達に共通する属性は何でしたか?

 

体重を減らした?いいえ、増加させた寛解者もいます。

罹患期間が短い?いいえ、病歴15年以上の寛解者もいます。

 

答えは、簡単。

薬に頼らずHbA1cを6.5%未満に落としたことです。

皆さん素直なので、こういう統計データを見るとダイエット頑張らなきゃ!とか思いそうですが、重要なのは血糖コントロールであって、体重コントロールではありません

役に立たない体重計などゴミ箱にぶち込んでください。(タニタへの熱い風評被害

 

CGM(フリースタイルリブレ等)を使い、日常に潜む高血糖の原因さえ排除してしまえば、誰にでも寛解の可能性はあります

HbA1cをターゲットとする昔ながらの治療法は99.7%役に立ちませんが、CGMを使い血糖値を直接ターゲットとする手法であれば、寛解の可能性は排除されていないのです。

 

ちなみに従来型の治療法でない場合、どの程度の寛解率が目指せるのかについてですが、興味深い研究があります。

介入群の46%が寛解したというDiRECT試験です。

 

2型糖尿病、集中的食事療法による減量で46%が寛解/Lancet|医師向け医療ニュースはケアネット 様

 

体重をターゲットとし、過激なカロリー制限を行っているので、マダオ的にはオススメしない手法ですが、そんな乱暴なやり方でも、46%もの寛解率を叩き出せるのです。

より直接的に血糖値をターゲットにするならば、同等の成果を半分以下の労力で出せても不思議はありません

 

なにせマダオの初期HbA1c9.7なんて寛解の確率は精々0.5%です。さらに1年寛解を維持できる確率は更にその3分の1、つまり0.16%でしかありません。

しかし、寛解後そろそろ2年となる現在もマダオHbA1cは5.0前後です

実際問題、この状態にするために、そこまで特別な苦行は必要ありません

食事はお腹いっぱい食べていますし、間食もしています。半寝たきりなので運動らしい運動もしていません。いくらか痩せましたが、相変わらずBMIは25近いし、腹囲は90cm切ったことがありません

そんな緩さでも血糖コントロールは出来ますし、緩くないと続かないのです。

もちろん糖尿病の重症度や体質など色々な要素があるので、絶対確実などと口が裂けても言えませんが、99.7%ダメな従来療法よりは寛解を目指しやすいのではないでしょうか。

 

つまり、化石みたいな治療法から算出された寛解率1%なんてくそ喰らえじゃ!ってことです(蛮族並感)

・・・

・・

 

 

 

先ほど不適切な表現がありましたことをお詫び申し上げます。

健全な精神は健全な言葉遣いに宿る!

では、あらためまして…。

 

血糖値をターゲットにしない古い治療法で寛解する確率なんて、低くて当然!

せっかく治療するなら、CGMを活用した血糖値ベースの手法を試してみませんか?

 

1%なんていう残念な数字で、ボクらの努力を語ってほしくはない



 

当ブログの代表的な記事はこちら。

HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

CGMマダオがイチオシする商品の一覧はこちら。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。

個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事等については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。

 

参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。