はい。こんにちは。
マダオです。
本日は糖尿病と全く関係ない話をします。
お題は、日本人の資産額と月間消費額の関係についてです。
(マダオが1億円持っているとかそう言う話ではないのでご安心(?)ください)
まずマダオはモノを考えるとき統計データを重視します。
そうしないと自分の立ち位置や、世間の見方がズレてしまうからです。
例えば資産1億円持っている人はどのような生活をしているのでしょうか。
マダオの貧困な想像力だと、豪邸住まいで、ワイングラス片手にペルシャ猫を撫でているイメージですが、果たして実際はどのようなものでしょうか。
実はここに大和証券様作成の統計データがあります。
引用元URL:「FIREで人手不足」論から抜け落ちている重大側面 より深刻なのは弱い需要による「日本経済の縮小」 | 若者のための経済学 | 東洋経済オンライン 様
それによると資産1億円以上ある現役世代は月額37万円ほどで生活しているようです。更に退職後は月27万円に消費額は落ち着きます。
多いのは多いのですが、豪遊している!というほどではないようです。少なくとも25万円のiPhone pro maxを家族全員で毎年買い替え!とかアルファードやレクサスを3年おきに乗り換え!みたいな生活はしてなさそうです。
では資産半額の5,000万ならどれだけ消費しているのでしょうか?
現役で月額31万円、退職後で月額23万円です。
何となく予想はできていましたが、資産1億円以上グループ比で消費額が半分になったりはしないですね。
精々15%減というところでしょう。
では資産額1割の1,000万円ならどれだけ消費しているのでしょうか?
現役で月額24万円、退職後で月額17万円です。
資産1億円以上グループ比で35%減くらいです。
では資産1億円以上グループの消費額の半分になるのは、どの階層なのか?
なんと資産50万円のグループとなります。
現役で月額17万円、退職後で月額13万円です。
資産額は少なくとも200倍の差がありますが、消費額は2倍の差しかないということですね。
(昔、消費税は弱者に厳しい悪法だと習ったのが、数十年経って腹落ちできました。資産1億円以上の人の年間消費税負担は約40万円に過ぎないのに対して、資産50万円の人の消費税負担は約20万円!何と資産の40%を毎年消費税として取られている!!)
消費税のくだりは書いてて自分でも怖くなってきました…。
統計データは色々な気付きを与えてくれますね(震え声)
なお、資産150万円超~750万円までの消費額がほぼ同じというのも興味深いです。
現役で月額22万円前後、退職後で月額15万円前後です。
同じような生活水準に見えても資産600万円くらいの差はあるというのは、ちょっとした驚きです。
(つまり、ここらへんが現代日本人の消費額として最低限望ましい範囲なのかも知れません)
また資産額に関わらず、退職後の消費額は会社員の夫がいる夫婦世帯の年金で何とか納まりそうな額だというのも興味深いです。
引用元URL:夫婦・シングル世帯がもらえる年金額の平均は?年金だけで経済的自立はできるのか | 東証マネ部! 様
こうしてみると、男性が会社員になって早くに結婚して妻に第3号被保険者になってもらい、老後に夫婦で年金をもらう、というのは制度上有利なんですね。
もちろん会社員の共働きなら更に良し、老後は安泰です。
逆に国民年金組は、老後をともにするパートナーとしては金銭的リスクが高いということになりますね。
マダオの世代は、その国民年金すらまともに払えてない人が多いから、夫婦でも単身でも老後破綻が増えるのは確実です。そうなると連鎖的に生活保護を含む社会保障システムが逼迫し大幅減額する日が来るでしょう。しかし、その対策として弱者に厳しい消費増税・社会保険料アップをしても、余計に救済が必要な弱者を増やします。必要なら増税するのも結構ですが、もう少しまともに累進課税を運用した方が良いのではないでしょうか。高所得者の税率を下げる『1億円の壁』を放置したまま何年経っているんでしょうね。株式に関する利益を総合課税にするだけで簡単に解消するというのに!
一億円の壁を解説したサイト:
岸田内閣 経済政策の注目点“1億円の壁”|サクサク経済Q&A|NHK 様
当ブログの代表的な記事はこちら。
HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。
参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の本記事の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。
ここから更に余談。
FIREの実現可能性とその社会的影響について
FIREとは:
FIRE(ファイヤー)とは、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取った言葉で、経済的に自立して早期退職を目指すライフスタイルを指します。
言い換えるとFIREとは、資産運用や節約によって資産を築き、働かなくても自由に暮らせる生活を確保することです。
実は、本記事で引用している以下の表データはFIREが経済に与える影響を考察している記事の一部です。その観点から表データを改めてみると、FIRE自体がかなり無理だというのが分かります。
引用元URL:「FIREで人手不足」論から抜け落ちている重大側面 より深刻なのは弱い需要による「日本経済の縮小」 | 若者のための経済学 | 東洋経済オンライン 様
現役時の消費額の多さは、子育て費用と住宅ローンに起因するものが大半でしょうから、FIRE世帯の消費額は退職後のものを参考にするの自体は同意しますが…。
まず本統計データの資産は不動産なども含みます。そして平均して半分程度は自宅不動産の評価です。
つまり資産1億円あるといっても金融資産は5,000万円程度しかありません。
手元に1円も残さず5,000万円全額投資していたとして、4%ルールで安定的に得られるのは年間200万円(税引き前)です。
4%ルールとは:
資産運用額の約4%を生活費として切り崩していけば、25年以上が経過しても資産が尽きる確率は非常に低いという資産運用に関する考え方です。なお、米国における研究によると25年後の資産額は尽きないどころか、平均して8倍に増えた、というポートフォリオも報告されています。
もちろん年間200万円は少ない額ではありません。しかし仮に税金で20%とられると160万円の手取りで月あたり13万円程度しか残りません。何とその生活水準は資産50万円の退職者と同等となります。
それでも年金が出るまで月額13万円で粘れれば、キャッシュフローは大きく改善します。しかし超早期に退職していたり、自営業者だったりしていた場合の支給額は国民年金月6万円にかなり近い水準となるでしょう。
13万円に年金6万円を足したとしても、若くして資産1億円を築いた人の生活水準からすると満足できるものなのか相当怪しいです。(特にリタイア直後には生活費を約半分にする必要がある)
当然の事ながら、FIRE達成のための条件は資産額が少なくなればなるほど厳しくなっていく(扶養家族がいればもっと厳しくなる)ので、やはり社会に影響を及ぼせるほどFIREできる人はいないと思います。
少なくとも普通の人が現在の生活の延長線上で考えた場合、まずFIREなんてできないでしょうね。
有りうる例外としては、
①実家が凄く太くて親の援助で年金支給までしのげるとか(これは親に経済的依存している時点でFIREではないと思いますが…)
②自宅を含まない純粋な運用資産だけで1億円のハードルを超えてるとか
③極まったミニマリスト的な割り切りがあるとか
くらいでしょう。
そうして考えると、FIREってかなりファンタジー寄りな概念で現実感がないなと思うわけです。東京23区内に生息するタヌキの数(推定1,000頭)よりは数が多そうだけど、社会的な影響なんてほぼないんじゃないかなぁ。