はい。こんにちは。
マダオです。
本日は、とうにょうちゃんの話題を扱います。
以下動画で、とうにょうちゃんは医師に対して、『私は寛解(※)目指せますか?』と質問したところ、『10%くらい?』と回答を受けています。
しかし、この回答は、果たして本当でしょうか。
※寛解とは:投薬なしで、3ヶ月以上、HbA1c6.5%未満を維持すること。(アメリカ糖尿病学会)
寛解率10%という回答にあたり医師がかなり言い淀んだのは、動画を見れば分かるものの、『意外と簡単なんだね!』と真に受ける初心者さんや一般の方が出てくると困ります。
ということで、糖尿病の寛解者であるマダオがエビデンスを元に正しく解説します。
なお、今回はかなりガチ目の説明回ですので、とうにょうちゃんラブの方はここでお帰り下さい。
更に言うと、今回『血糖おじさん』こと薗田先生が出演されているので、本ブログで取り扱うか迷いました。
薗田先生は『1にカロリー、2にPFCバランス、3に食べ物の質』と仰る古いタイプの医師です。マダオは、このやり方では99%の患者が寛解できないと思っていますし、実際に日本国内の医師向けガイドラインですら『エビデンスがない』と明記しているので、全く信用していません。ですので、薗田先生の意見を肯定しているとか広めたいという意図は全くない、ということだけここでお断りしておきます。
まず最初に結論。
平均的な糖尿病患者の寛解確率は1%です。
つまり、とうにょうちゃんが『服薬しながらHbA1c7.0%を行き来する平均的な糖尿病患者』であれば99%寛解できません。
これは日本の国立大学である新潟大学が2023年に発表した研究で、日本国内で48,000人もの糖尿病患者を対象にして行われた極めて信頼性の高い内容に基づいています。マダオの知る限り、日本国内でこれ以上の研究は存在していません。
そして、当該研究において一番寛解の確率が高かったとされたのが、1年以内に体重を10%以上落としたグループで、その寛解率は約5%でした。体重88㎏であれば、8.8㎏以上を1年内に落とした人たち、ということですね。
この条件だけでも普通の人はまず達成できないと思いますが、これだけ減量しても寛解率は5%にしか過ぎません。

糖尿病患者の100人に1人は「治っていた」~4万8千人の患者データ解析
そして、単独条件で寛解率10%を達成したグループは存在しなかった、というのがリアルな現実です。
もちろん体重を10%以上落としたグループの中で、更に厳しい条件を追加すれば、10%の寛解率を誇るグループも作れるでしょう。
糖尿病罹患後1年以内(寛解率2%)、HbA1c6.9%以内(寛解率3%)、服薬ゼロ(寛解率2%)あたりから条件を2つか3つ追加すればかなりいい線イケるはずです。
新潟大学の研究について詳しく分析した記事はこちら:
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
とうにょうちゃんの場合、まだ罹患後1年経過していないし、たまにHbA1c6%台になるから、やりようによっては寛解もイケんじゃね?と思わなくもないですよね。
でも残念ですが、1%もイケません。
糖尿病をほぼ寛解できないグループというのが存在し、とうにょうちゃんはそこに属しているからです。
それこそ2剤以上の薬物治療をしている、というグループです。
このグループの寛解率は約0.2%。99.8%の確率で寛解できません。
とうにょうちゃんの現在のHbA1c7.1%は2つの薬の力を借りて実現しているもので、素のHbA1cは8.5%ほどと推測されます。
つまり、1年弱かけて自力で下げたのは1.5%であり、薬を抜いて寛解を目指す場合、追加で2.0%ほどを独力で下げる必要があるということです。(現在のやり方にこだわるなら、これまでの2.5倍は努力する必要があることになる。不可能ではないが非現実的。アプローチを根本的に見直した方が良いと言える)
また『体重を落としたくない』と言っているのが致命的です。
マダオは、昔ながらの医師のように『痩せない限り血糖値は下がらない』と言うつもりはありません。
むしろ体重を落とさなくても血糖値を下げることは可能だし、過去にそれを実現したこともあります。
関連記事:
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
しかしですね…。
高BMIの糖尿病患者が正しく血糖値を下げると、後から追いかけるように、ゆっくりと体重は落ちてくるんですよ。
血糖値が正常化するとインスリン(太るホルモン)の大量分泌が収まり、結果として少しずつ体重が落ちていきます。また血糖値の乱高下がなくなると、血糖値急低下に伴う異常な飢餓感も無くなって体重減少に拍車をかけます。
この現象は正常な体の働きであるため、防ぐのは相当難しいです。
マダオもHbA1c9.7%から6.5%未満に落とした当初こそ体重減少はほぼなかったですが、3年以上かけて徐々に体重が減少し、最終的に10%どころか25%も減量してしまいました。
つまり、とうにょうちゃんは、現状の実力では99.8%寛解できないにもかかわらず、『体重を減らさない』という縛りまで入れて『寛解したい』と言っているということになります。
寛解できるか聞かれた先生が頭を抱えて当然ですね。
ダウンタウンやサンドウィッチマンすら知らない素人が『今年のM‐1グランプリで優勝する!』と言うのと同じくらい荒唐無稽なお話だからです。ついでに『日本語しゃべりたくないからスワヒリ語で漫才してやるぜ』というくらい滅茶苦茶です。
武道において守破離という言葉があります。
まずは師のいうことを守り、基本を身に着ける。
次は身に着けた基本の型を敢えて破る。
最後に型を離れて独自に新しい道を作り出す。
概ねこんな感じの意味の言葉です。
マダオも『自身の血糖測定データだけを信じろ』とか『カロリー計算など無意味。体重計も窓から投げ捨てろ』などと無茶苦茶を言っていますが、日本糖尿病学会のガイドラインは熟読していますし、ガイドラインがどれほど非効率的であるか自分の血糖値で確認しています。
そのうえで、アメリカ糖尿病学会のガイドラインや海外の一流医学誌などに答えを求め、最終的に今のやり方に落ち着いたのです。
新しく物事を成すにあたり、自分の美学や独自の道を主張するのは大変結構ですが、結果を出さなければ誰にも相手にされません。
統計上99.8%失敗する道を、条件を縛りながら行くというのですから、とうにょうちゃんには、それなりの覚悟を持って臨んでもらいたいと思います。
逆に言えば、誰に何を言われようが、自分が信じた道を突き進んで欲しいです。
実は、マダオも寛解を目指した過去において、99.5%寛解不可能なグループに所属していました。
そして色々な医療従事者から『なぜ私の言うとおりにしないのか?あなたのやり方は絶対にうまくいかない。長続きしないし糖尿病が悪化する』と言われてきました。
しかし、マダオはそれらのアドバイスを全て無視し、自分の血糖測定データのみに従って寛解を達成しました。なぜなら、医療従事者のアドバイスは、マダオの血糖値を上げこそすれ下げることがなかったからです。
そもそも。
誰にでも一律に有効な治療法があるなら、99%の患者が寛解できないなんて惨状になるわけがないじゃないですか。血糖値的に正しい食事療法や正しい運動療法というのは、人によって全く異なるというのが正しい理解なんですよ。
カロリー制限もPFCバランスも糖尿病を改善させるに足るエビデンスは存在しませんし、運動(カロリー消費)も人によっては逆効果なんです。
関連記事:
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
寛解したいなら、やる事はただ1つ。
具体的に何が自分の血糖値を上げているかを知り、その原因を1つずつ生活から排除する事です。
その為には頻回の血糖測定が必要です。マダオの場合、CGM(フリースタイルリブレ)を使って毎日最低20回血糖測定する生活を半年の間続けました。
1%の向こう側に行きたいなら、血糖測定は必須だとマダオは思っています。どんなやり方で仕事をするにせよ、正確な現状の把握と、施策の効果測定が必要だというのは、当然の話じゃないでしょうか。
さて、とうにょうちゃんへ。
寛解に至る道は確かに1つではないですし、縛りプレイをしても良いでしょう。
しかし、自分が何を言っているか、その意味だけは知っておいて欲しいです。
あなたは他の糖尿病患者99.8%が乗り越えられない壁を、ハンデを背負った状態で超えたいと公言しているのです。
あまりに高い目標なので、周囲から色々言われることになるとは思いますが、揺らぐことなく乗り越えていただきたいと思います。
実際、99.5%の壁を超えた実例はここにいますし、上記研究でも99.8%の壁を超えた人がいるのです。一般的には無謀に見えるかもしれませんが、チャレンジしなければ成功率は0%のままである以上、やらないという選択肢はないでしょう。
折れず、曲がらず、そのチャレンジが成功することを心より願っています。
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蛇足。あるいは寛解を目指す本当の意味について
実際のところ。
あなたは糖尿病の寛解に成功してもよいが、しなくてもよい。
成功すれば素晴らしいが、しなくても当然だ。
何せ糖尿病は治らない病気であり、加齢で進行していくからだ。
しかし、寛解を目指した経験は無駄にならない。
寛解を目指す過程で、遺伝と加齢により弱ってしまった自分の体質(糖尿病)を知ることができれば、後ろめたさや罪悪感のない人生を送れるようになるからだ。
医師のような『できる側の人間』は、他人の問題を、すぐに努力不足が原因だと決めつけたがる。
曰く『カロリーが多い』『PFCバランスが悪い』『食事の質が悪い』『運動量が足りない』『これまでの人生で培ってきた生活習慣が悪い』…。
つまり、医師は常に正しい道を指し示し、努力の足りない連中の『指導』をしてやっている、というわけだ。
しかし、これらの画一的な『指導』には全く真実が含まれていない。
実際、これらの『指導』を日本中で数十年間行ってきた結果こそが、糖尿病の寛解率1%という惨状なのだ。
上記の『指導』にはエビデンスが不足しており、ほぼデタラメと断じて良い内容だ。
つまり、糖尿病が良くならないのは、デタラメを吹聴する日本の糖尿病内科医学界が悪いのであって、患者の努力や生き様に問題があるわけではないのだ。
私たち糖尿病患者は、医師という権威者から、親から受け継いだ体質を否定され、食事内容を否定され、運動内容を否定され、生活の隅々に至るまでを否定されてきた。
その結果、食事自体に後ろめたさを覚えたり、運動ができない日に罪悪感を覚えたりしてきた。
それでも何とかしようと『指導』通りの努力をしても、糖尿病は悪化する一方で、医師からもらうのは否定の言葉ばかり。
こんな状態では、通院をやめてしまったり、うつ病を併発してしまうのも当然だ。
しかし、医師の言うことがデタラメであったとして、本当の糖尿病の原因とは何なのか?
実は、糖尿病の原因は、ほぼ間違いなく自分自身の生活の中に物理的に存在している。
マダオの場合は、『米、小麦、砂糖類』がほとんどの高血糖の原因であった。それらを辞めた途端、血糖値は劇的に下がり、お腹いっぱい食べて、間食までしてもHbA1cが5.0%前後から動かなくなったのだ。
問題は、糖尿病の原因は人により全く違うということ。
トマトが原因の人もいれば、運動が原因の人もいる。
糖尿病とは、老化の発露であり、本質的には病気ではない。
ボケ方にムラがあるように、膵臓の死に方にも大きな個人差があるのだ。
この個別性を知るためには血糖測定が必須だということだ。
自分を知り、糖尿病を知っていけば、寛解などしなくても、今までより遥かに明るい人生を送れるようになる。
食べることが心から楽しくなるし、関節の痛みをこらえて毎日1万歩歩く必要もなくなる。
何より。
あなたは、これまでの人生も、親から受け継いだ体質も、何一つ恥じる必要はなくなるのだ。
糖尿病とは、単なる老化現象、もしくは後天的なアレルギー反応の一種である。
砂糖アレルギーなら、砂糖を食べなければいいだけだし、そこに善悪やカロリー、体重、PFCバランスなどという概念が出てくる余地はない。
あなたが本気で寛解を目指せば、糖尿病の本質がどこにあるのか、嘘をついているのは誰なのか、嫌でも知ることになるだろう。
関連記事:
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
寛解の難易度について書いた関連記事:
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
その他とうにょうちゃん関連記事まとめ:
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
当ブログの代表的な記事はこちら。
HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。
個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事等については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。
参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。