はい。こんにちは。
マダオです。
今日、インターネットで「糖尿病」と検索すれば、山のように情報が出てきます。
国内の糖尿病患者数は1,000万人とも言われますし、需要が多い情報なのは間違いないでしょう。
しかし、実際に糖尿病患者になってみて落胆したのは、メディアにあふれる情報の質の低さでした。
なんのエビデンスもない迷信レベルのお話が今日も新たに生産され続けています。
世間的にとても評判の悪い業界に勤める知人がいるのですが、彼が求める顧客の条件は本質的に2つでした。
つまり
「バカであること」
「困窮していること」
です。
両方当てはまっていれば「理想のカモ」であり、片一方でも腕次第で十分「カモになりうる」と言っていました。
粗悪で時代遅れな自社の商品を買わせるためには、賢く選択する余裕のある顧客は相手にしていられないとも。
そこで我々糖尿病患者ですが、病気になり困っている、という条件にまず当てはまります。そして、病気は体を弱らせ、思考能力を落とします。
つまり、我々は潜在的に「理想のカモ」になりうる存在なのです。
糖尿病が治る○○
血糖値が下がる✕✕
飲めば効く☆☆
食べれば効く□□
この運動をするだけで~~
このようなフレーズに目を惹かれたりしないでしょうか。
全く興味がないでしょうか。
マダオは興味あります。ここ1年実際に、そのような刺激的なフレーズの情報があれば、ほとんどチェックしました。
明らかに嘘、デタラメであると分かる情報も多かったのですが、真贋付きづらい情報も多く困惑することが多かったです。
ただ、マダオの場合ですが、それらが本当に真実なのか、調べる方法がありました。
CGM(持続血糖モニター)です。
結果として、ほとんどの情報は自分にとって無価値であることが分かりました。
今まで自身の血糖値を一度として測ったことがないような人たちが「糖尿病」というキーワードを使って無価値な情報を出しているのではないかと思います。
信頼できる情報源としては概ね以下の関係で成り立ちます。
1位 国立の研究機関・病院の公式HP情報、日本糖尿病学会の情報
2位 私立の病院の公式HP情報、公的な組織の発信する情報
3位 医師個人の発信する情報(エビデンスあり)
4位 医師個人の発信する情報(エビデンスなし)
5位 患者個人の発信する情報(証拠あり)
6位 患者個人の発信する情報(証拠なし)
ランキング外 それ以外の情報全て。ほぼ信用できない。
糖尿病を正しく理解するためには、まず1位である国立病院系の情報源から現状の国内のスタンダードを確認しておくのが基本です。
最も有効で長期的な安全性が確立された情報が紹介されているはずです。
なにせ糖尿病の国民医療費は1兆円を優に超えているため、国としては治せるなら、即座に治してしまいたいのですから。
2位の私立病院系情報源からは独自色が出てくる場合があります。
とはいえ大学病院などは、1位の情報源からかけ離れた内容を掲げていることはほぼないと思います。
かなり攻めている情報をたまに見かけるのは中小規模の私立病院・クリニックで、特に食事指導について国内標準ではない手法を採用していることがあります。
どんなエビデンスに基づいた指導であるのかは注意が必要です。標準的な手法よりリスクが高いとか、日本人を対象にした長期的な試験がされていないとか、そういう可能性があります。
3位、医師個人の発信する情報(エビデンスあり)は、個人的に興味深いところで、最新の研究結果を知ることができます。ただし、その研究の精度については素人には判別不能で、どうしても内容が気になるなら自分の体で試すしかありません。また新しい研究であるということは日本人を対象にした長期的なリスク評価がされていない可能性は高いです。
以上3位まではマダオが信用できるとおもっている情報源です。
4位以降は慎重な精査が必要です。
4位、医師個人の発信する情報(エビデンスなし)。
医師の発信する情報でも疑う必要があります。
なぜなら医学は学問の一派であり、本当に有益な情報であれば、論文にまとめられ、それなりの権威のある学術誌に掲載される(全世界の医師にエビデンスとして共有される)からです。
学術誌には出せないけれど、一般人向けの本等には出せる情報、しかもその医師しか発信していない情報、となると相当怪しくなってきます。
もちろん、プロの経験というのは肌レベルのものであっても、非常に有益ではあるのですが、自分に合う情報なのかは、見極めが必要です。
5位、6位の患者の出す情報については、とても属人的なので、嘘ではないにしても、そのまま飲み込むのは止めておいた方がいいでしょう。(本ブログも含む)
ランキング外が発信する情報は信用しないほうがいいでしょう。
有名人、整体師、スポーツトレーナー、どこぞの会社、糖尿病患者ではない個人etcetc。
個人的には栄養士の作ったレシピなども怪しいものが多い気がします。実際にそのレシピの料理を複数の糖尿病患者に食べさせてHbA1cを7.0未満にできるのか検証したか非常に疑問があります。
善意か悪意かは知りませんが、無価値どころか糖尿病が悪化しかねない情報が山盛りです。
かの天才スティーブ・ジョブスが自身のがん治療に医療ではなくコーヒー浣腸を選び、何の効果も得られないまま病死した、という一例をもってしても、無価値な情報に振り回された病人の末路が悲しいものになるのは間違いないと言えるでしょう。
人はそれほど強くも賢くもない。
残念なのはジョブスさんだけではなく、マダオも、おそらく他の多くの人達もまた残念なのです。
自分だけ特別な治療法がある、すぐ良くなる、そう信じたくなる気持ちは痛いほどわかります。
ときには刺激的な情報に飛びつくのもいいでしょう。
しかし、どこの誰が言ったものであろうと情報の丸飲みだけはしないで下さい。糖尿病であれば、血糖値の変動という評価軸において、あらゆる行動の結果を検証することができるのですから。
できるなら「理想的なカモ」ではなく、「理性的な患者」として生きたいものです。
当ブログの代表的な記事はこちら。
HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
beast-of-no-possibility.hatenablog.com
なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。
個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事等については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。
参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。