可能性のない獣

半寝たきりの2型糖尿病患者が書くあれこれ

まだ行けるはもう危ない(人が破滅する時)

はい。こんにちは。

マダオです。

 

まだ行けるはもう危ない

 

この言葉、ご存知でしょうか。

ドラゴンクエスト4の説明書に書いてあったらしいです。

マダオは、由来を忘れて、何となく記憶だけしてました。

投資の格言である『もうはまだなり まだはもうなり』から派生したんでしょう。

まだの部分だけを抜き出して危ないと警告しているところが秀逸であると思います。

 

今回は、人が破滅する時に当てはまる格言『まだ行けるはもう危ない』について書きたいと思います

本当はもっと状態の良いときに書きたかったんですが、もし書けなくなったら後悔するだろうと思ったので、今書きます。

 

糖尿病を始めとした病気や怪我、投資(事業)の失敗、はたまた自殺に至るまで、この言葉をきちんと思い出すことさえできれば避けられるかもしれないのが、『まだ行けるはもう危ない』です

 

例えば過労死。

①今まで◯年この会社で働いてきたんだから、この程度やり遂げられないわけはない。

②同僚がみんなできてるんだし、自分もできるはずだ。

③もしくは単純な自分への信頼。(多少の無茶でも自分なら平気なはずだ)

 

真面目な人ほど危ない、ということが何となく伝わりますでしょうか。

①では今より若く強い過去の自分を基準に考えている

②では(少なくともその業務では)自分より優れた他人を基準に考えている

③では自分の現実の能力ではなく自尊心を基準に考えている

 

こういう頑張りすぎる人達に、今のマダオから言うことがあるとすれば、『無茶するな、出来なくて良い』です

我々は子供のころから、学校という枠組みで、同じ世代の人間と競争させられ、『できない、能力が及ばない』ということに罪悪感を覚えるように教育されています。

また社会に出てからも、『そんなに弱腰では何事も成し遂げられない』なんて言葉を叩き込まれます。

『努力は必ず報われる』なんて言葉もよく聞きますよね。

これは誰の理屈でしょうか。

人を使う側(経営者)の理屈です。

確かに一流の人間はすべからく努力をしていますが、努力をした人間が必ず一流になれるかといえば否です。

 

偉そうな訓示ばかり垂れる連中は、あなたが忙殺された挙句、本当に死んだって何の責任も取りません

それどころか、貴方より安い給料で新しく人を雇うか、それとも今いる連中に『もう少し』頑張らせて人は雇わないことにするか、などと考えるのです。

彼らにとっては、貴方という個人はどうでもいい存在です。率直に言えば単なる固定費の発生源であり、よくて一人月分の労働力という認識でしかないのです。

 

仮にあなたが優秀で、努力の結果、二人月の能力を発揮できるようになったところで、次に待っているのは貴方への評価ではなく部署の人員の削減です。

(仮に評価されたとして2倍の給料をもらうことはない)

そこを乗り越えると、もっと部署の人員が減ります。

最後には貴方の同僚はいなくなり、最後には一人で全ての仕事をすることになります。

 

いやいや、そんなのおかしいし、上司に文句言ってから最悪辞めればいいじゃん、というのは冷静な第三者だから言えることです。

これは経済が縮小し続ける我が国ではありふれたお話です。

そして、どこに帰還不能点があるのかは、忙殺されている本人には分からないことが多いのです。

ある一点を過ぎてしまえば、目の前に起こる問題をやりすごすことしか考えられなくなります。

 

会社に行きたくないから、電車に飛び込もう

 

などという恐ろしい思考をしてしまうのも、帰還不能点を過ぎた人の典型的な思考と言えるでしょう。

 

貴方という個人が他者にとってかけがえのない価値を持つのは、親として、子として、配偶者として、兄弟として、友としてのみです

この年末・年始でお休みが取れているなら思い返してみて下さい

貴方の大事な人達と過ごす時間は取れていますか?最後にきちんと話をしたのはいつですか?

健康診断・がん検診はきちんとうけていますか?要精密検査の項目を無視してないですか?

 

家族や友人を守るために死ぬならそれは生き様。称賛される生き方の1つでしょう。

しかし、金のためだけに自分をすり潰すような真似は止めたほうがいいです。

逆の立場で考えれば自明でしょう。

貴方の父が、息子が、配偶者が、兄が、友人が僅かな金を残して死んだとして喜べますか?

人間は、本来、生きてるだけで丸儲けなんです。金を稼ぐためだけに無理をする必要などありません。

貴方という個人を愛してくれる家族を、友人を大事にして下さい。そして、それができるように自分も大事にして下さい。

 

自身ができてないこと、失敗したことを偉そうに書いてるので悶えんばかりの心境なんですけど、失敗しているからこそ大事さが分かるということもあります。

 

『まだ行けるはもう危ない』

 

これは糖尿病と闘う時にも通じる考え方です。

この年末年始に少しだけ考える時間をいただければ幸いです。

 

金やプライドなど捨てても死にはしない。
大事なのは貴方自身が周りの人と心穏やかでいられることだ。

 

 

当ブログの代表的な記事はこちら。

HbA1c9.7→4.8にするために何をしたかを公開中。

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