可能性のない獣

半寝たきりの2型糖尿病患者が書くあれこれ

【マダオが気になる糖のニュース】糖尿病患者の努力は99.7%報われない

はい。こんにちは。

マダオです。

 

物騒なタイトルですが、重要な話です。

まずはこちらのニュースをご紹介させて下さい。

 

糖尿病が「治る」病気に? 100⼈に1⼈は⾎糖値が正常化し薬が不要に こんな人が「寛解」しやすい | ニュース | 糖尿病ネットワーク 様

 

2023年05月31日に糖尿病ネットワーク様に掲載された記事です。

新潟大学様での研究成果で、日本人の糖尿病患者約4万8,000⼈の⻑期間の臨床データを解析した内容です。

ざっくり説明すると『日本人の糖尿病患者をいっぱい集めてみたら、1%の割合で糖尿病の症状がほとんど無くなってる人(寛解している人)がいたよ。糖尿病を絶対に良くならないと決めつけるのはよくないね。今後は寛解してる人の共通点とか探して臨床現場で生かせるようにしたいな』ってお話です。

欧米では1%の割合で寛解している人がいるのは知られていましたが、膵臓の弱い日本人にも寛解する人がいるのかキチンと調べた研究がなかったようです。

で、調べてみたら欧米と同じ割合だったので、ちょっとビックリ!って感じ?

 

もう少し詳しく記事の内容を見ていきましょう。

 

⽇本⼈の2型糖尿病患者のおよそ100⼈に1⼈が「寛解薬物療法を行っていない状態で、HbA1c6.5%未満が3ヵ月間続いている]」している。

 

本記事では日本人の糖尿病患者に1%の寛解者がいることを好意的に書いています。

 

「これまで"糖尿病は治らない"と⾔われていましたが、たとえ糖尿病と診断されても、早期から⽣活スタイルの改善や薬物治療に取り組み、減量を⾏うことで、2型糖尿病寛解が可能なケースがあることを⽰しています」

という部分については、当ブログでのかねてからの主張である糖尿病の早期発見・早期治療が非常に重要であるという主張に合致します。

 

「今後は、構築したデータをもとに、寛解に関連する要因の分析を継続し、より多くの⼈が寛解を達成できるようにするにはどうしたら良いかを解明し、現場診療に活かす予定です」

という部分についても、寛解者という成功事例を研究し今後の治療に生かすという話なのですから、それ自体は悪い話ではありません。

 

まずは、本研究を発表してくれた新潟大学様に感謝を述べたいと思います。

旧六医科大学と言われる歴史ある学府に相応しい素晴らしい研究だと思います。

この研究により寛解の存在を知らなかった患者や医療従事者にも具体的なイメージをもって周知出来たのではないかと思います。

 

しかし、既に寛解しているマダオの立場で強く感じるのは、現在の日本医療への落胆と怒りです。

 

たった1%しか寛解しないのか!

そして今まで日本国内の寛解者の統計データすらなかったのか!

 

医療サービスというものがベストエフォート型であるのは知っていますが、研究目的での統計すらなかったというのは驚きを通り越して落胆を禁じえません。欧米では、少なくとも5年以上前から寛解に導くための具体的なプランまで研究されているというのに、日本ではやっと寛解する患者の実在を確認できました!って…。糖尿病を寛解しているマダオは嘘つきかUMA扱いだったのかよ。

 

現状を正しく把握して対策する。対策に対してどういう結果があったのか記録する。その内容に基づいて新しく対策する。

どんな仕事であれ、これが基本だと思うんですが、医療業界は違ったようですね。

寛解は、現状糖尿病患者が望みうる最良の結果である以上、寛解者の分析は最優先業務じゃないんでしょうか。

成功事例を分析しないで、今まで何を分析していたんでしょう??

この分だと死亡に至るような失敗事例の分析もしていないのでは?と疑ってしまいそうです。

 

そして、新潟大学様の詳しい発表内容を見ると更に残念な事実が分かります

 

糖尿病患者の100人に1人は「治っていた」~4万8千人の患者データ解析で明らかになった 「寛解」の頻度と条件~ | 研究成果 | ニュース - 新潟大学 様

 

さらに寛解に達した3,677人を追跡した結果、1年間寛解を維持した人は1,187人にとどまり、3分の2にあたる2,490人が再発(再び血糖値が上昇)したことが判明しました

 

寛解に至った1%のうち3分の2は1年も良好な血糖値を維持できなかった、という事実です。

つまり、糖尿病患者の99%は寛解しないし、99.7%は1年間寛解状態を維持させることもできない、ということです。

しかも、母体は糖尿病専門施設に通院中の患者のみ、というところが残念ポイントが高いです。定期的に通院する真面目な患者を、志の高い専門医が診て、この数字です。

一般的な内科クリニックなどを母数に入れたら、もっと恐ろしい事実が明らかになりそうで恐怖しか感じません。

 

 

当ブログでは以前より、2型糖尿病患者であるマダオの経験に基づき、糖尿病を改善するためにはHbA1cや体重ではなく血糖値に着目すべきだと繰り返しお話してきました。

なぜか?

マダオは糖尿病家系であり、2人の祖父が糖尿病で命を落としたからです。

祖父たちはまじめで、医師に言われたとおり、運動をし、薬を飲み、インスリンを注射し、節制に努めました。

しかし、糖尿病は悪化する一方で最後には命を落とすこととなりました。

 

その当時から糖尿病の治療内容について疑問はあったのですが、自身が糖尿病になり色々な指導を受けるうちに『こんなやり方では自分は絶対に良くならない』と思うようになりました。

 

乱暴な言い方をすれば、現在の糖尿病治療は、占いに近いやり方をしています。

『血糖値』という絶対に攻略しなければならないターゲットを観測することなく、『HbA1c』や『体重』などという代替の指標で誤魔化そうとしているからです。

糖尿病の治療のターゲットは血糖値なのに、別の指標でコントロールしようとするなんて無謀を通り越して傲慢ですらあります。

 

血糖値を観測する手段がない時代ならそれも仕方ありません。

しかし、CGM(フリースタイルリブレ等)と呼ばれるリアルタイムで24時間血糖値測定・記録してくれる機械が実用化されたのはもう20年以上昔の話です。

今や、一般個人でも簡単に入手・活用できるようになっています。

にもかかわらず、血糖値は見えないものとして、患者に一律で不適切な指導をする医療従事者の何と多いことか。

医療に従事する方々に問いたい。

その運動療法・食事療法は本当に貴方の患者の血糖値を下げる効果があるのですか??

血糖値を実測して成果をキチンと確認していますか??

治療の効果が出ない理由として、糖尿病患者の人格や努力量を疑っていませんか??

あなたの指導が患者の努力を99.7%無駄にしたから、このように悲惨な統計データが出たのではないですか??

 

現在のHbA1cベースの治療がすべてデタラメだとは言いませんが、99%の確率で寛解にならないのは統計上間違いない事実です。

有意に改善できないということは、良くて現状維持しかできないでしょう。

一般の会社で考えてみて下さい。

顧客の99.7%が現状維持か業績悪化するコンサルティング会社って成立するでしょうか?

サービス内容の見直しが必須どころか事業の廃止が取り沙汰されるレベルです。

しかし、糖尿病の治療においては、それが当たり前になっているのです。

 

以上の現実を踏まえたうえで、我々患者は、何をすべきか?

それは血糖値の測定をしっかり行うことです。

できればCGMを使って行うことが望ましいです。

どこの誰が何と言おうとも、自分の血糖値の実測結果が全てです。

医師の言う通りの玄米食にして血糖値は下がりましたか?

医師の言う通りの運動をして血糖値は下がりましたか?

医師の言う通りカロリー制限をして血糖値は下がりましたか?

医師の言う通りの内容で努力し、寛解し、1年以上維持できていれば、貴方は上位0.3%に入っています。

おめでとうございます。

しかし、残りの99.7%の人は、従来のHbA1cベースのやり方ではうまくいかないのです。

そんな人は、血糖値測定をしっかり行い、血糖値を上げすぎない生活に変えるやり方を試してみてはいかがでしょうか

これも万人に当てはまる方法ではないでしょうが、少なくともマダオHbA1cを9.7から4.8にした実績があります。

99.7%ダメなやり方よりは期待が持てると思いませんか?

 

 

マダオが気になる糖のニュース NO.09
糖尿病ネットワーク様、新潟大学様ありがとうございました。

 

 

 

ちなみに海外の有名な研究では、介入群の46%が寛解したDiRECT試験というものがあります。

 

2型糖尿病、集中的食事療法による減量で46%が寛解/Lancet|医師向け医療ニュースはケアネット 様

 

前提条件が違うし、かなり過激な食事療法を採用していますが、それでも46%という寛解率には大きな魅力があります。

やりようによっては、寛解は十分手の届くものだ、という認識を我々患者も医療従事者も持っていいのではないでしょうか?

 

 

 

当ブログの代表的な記事はこちら。

HbA1c9.7→4.8にするために何をしたか公開中。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

CGMマダオがイチオシする商品の一覧はこちら。

beast-of-no-possibility.hatenablog.com

 

 

なお、本記事はマダオ個人の体験談とそれに基づく感想です。

個人個人で体質も糖尿病の重症度も違いますので、運動・食事等については自身の主治医や栄養士など専門家の意見を参考に行って下さい。

 

参考にした著作・HP・動画は当ブログ管理人のマダオが自身の糖尿病生活の参考にするため、閲覧させていただいている先であり、当ブログとは一切関係がありません。当ブログの記述に不正確さがあった場合、全て管理人のマダオに責任があります。